【MINI クーパーSD 試乗】ガソリン車を置いてきぼりにする加速感…中村孝仁

試乗記 輸入車
MINI クーパーSD 3ドア ジョンクーパーワークスパッケージ
MINI クーパーSD 3ドア ジョンクーパーワークスパッケージ 全 13 枚 拡大写真

新しいMINIのディーゼルにはエンジンの設定が何と4種類ある。新たに追加された『3/5ドアハッチバック』用と『クラブマン』用の「D」及び「SD」で、これらはすべて異なっているのだ。

【画像全13枚】

まず、このエンジンバリエーションの説明からしよう。 3/5ドア用は、Dに1.5リットル3気筒ツインパワーターボ、SD用には2リットル4気筒ツインパワーターボ。そしてクラブマンはD、SDともに2リットル4気筒ツインパワーターボだ。ところが3/5ドア用の2リットル4気筒と、クラブマン用はすべて性能が異なるからややこしい。最強はクラブマンSD用の190ps、400Nm。そして3/5ドア用SDは170ps、360Nm 、4気筒で最も大人しいのはクラブマンD用の150ps、330Nmで、これに3気筒を加えて合計4種類となる。因みに組み合わされるトランスミッションは3/5ドアは6速、クラブマンはいずれも8速ATである。

今回試乗車として用意されていたモデルは「3ドアSD」なのだが、ジョンクーパーワークスパッケージなるオプションを装備していたのでまた少々ややこしい。外観はジョンクーパーワークスのエアロダイナミックキットを装備して、ノーマル3ドアSDとは明らかに異なるアピアランスを持ち、17インチのブラックアウトされた専用ホイールを履く。また装備的にもクルーズコントロールやスポーツサスペンションが標準装備となる。

ボディカラーは鮮やかなボルカニックオレンジと称するオレンジ色。トグルスイッチのスターターを押していざスタートである。車重1330kgに対して170ps/4000rpm、とりわけそのトルクは360Nm/1500~2750rpmだから文句のあろうはずがない。現在自分もターボディーゼルモデルに乗っているのだが、ディーゼルはターボの有無にかかわらず、スタートダッシュはガソリンと比較するとそれなりに緩慢で、実際にその威力を発揮するのはやはり回転が最大トルクゾーンに到達してからである。だから0-100km/h加速も欧州仕様車のATで8.1秒だというから、それほど驚くにはあたらないと思う。

しかしながらすでに車両が定常走行状態で、そこから加速する際は驚くほどの力強さを見せる。というわけでディーゼルのウィークポイントはあくまでゼロスタートのほんの一瞬ということで、そこから先はガソリン車を置いてきぼりにすること請け合いだ。

多くのユーザーが気にする点は、その音と振動に関することだと思う。さすがにアイドリング時の車外騒音はガソリン車と比ぶべくも無く、閑静な住宅街ではかなり気持ちよく響き渡る。この点は否定できない欠点であるが、実際に走り出してしまえば特に室内にいる限り全く気にならないレベル。しかも、信号待ちなどはほとんどの時間アイドリングストップをしてくれるから、音・振動共に無視できるのだ。そう、このアイドリングストップする点こそ、従来の『ペースマン』や『クロスオーバー』に搭載されていた旧型2リットルユニットとは決定的に異なる点である。

スポーツサスペンションを装備しているというが、乗り心地はいたって柔軟で快適だった。ホイールベースの短いMINIは、乗り心地の点で基本的に不利であるが、近年富に大型化してくれたおかげで、今では2495mmもあって初代MINIの2035mmから比較すると、実に460mmも伸びて、普通のクルマになった。「ミニと呼べないミニ」になった最大のポイントがここにある。一方で室内空間は大幅に拡大し、安全面も強化されているわけだから、文句を言う筋合いではないのだが、MINIという名前からすると少々引っかかってしまうのは、人間が古くなったせいか…。

ガソリンのクーパーSに対しSDは34万円アップの364万円。さらにジョンクーパーワークスを始めとするオプションの総額92万8000円を加えた総額は456万8000円。高いか安いかはご自身で判断して欲しい。

■5つ星評価
パッケージング ★★★
インテリア居住性 ★★★★
パワーソース ★★★★★
フットワーク ★★★★
おすすめ度 ★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来38年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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