東レ、ターボエンジン向けダクト事業を強化

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東レは、ターボエンジン搭載車に用いられるターボダクトの材料と成形加工技術を強化するため、世界最大手のサクションブロー成形機メーカードイツのカウテックスから大型3Dサクションブロー成形機を導入する。

日系エンジニアリングプラスチックメーカーが同成形機を導入するのは初めて。8月までに名古屋事業場(樹脂応用開発センター内)に設置し、10月から本格稼働する計画。

東レは、今回の導入を通じてカウテックスとの関係を強化し、同社の豊富な知見とノウハウを活用した材料開発を行うとともに、成形加工技術まで含めたトータルなソリューション提案を推進する。

自動車の燃費向上を目的として小型エンジンとターボチャージャーを組み合わせたダウンサイジングターボ車が急速に拡大している。ターボチャージャーとエンジンをつなぐターボダクトには従来金属が使用されていたが、現在は軽量性と設計自由度の優位性から樹脂材料の使用が主流となっている。特に、長期耐熱性や耐薬品性などの要求特性を満たす材料として、PPS樹脂やナイロン樹脂、PBT樹脂などの高機能エンジニアリングプラスチックスの適用が広がっている。

樹脂製ターボダクトの成形方法は、主に射出成形とサクションブロー成形があるが、長尺で複雑な形状にも対応できる設計自由度の高さに加え、一体成形によりサイクルタイム短縮が可能なことから、サクションブロー成形への注目が高まっている。東レは、ターボダクト向け材料として、高機能PPS樹脂「トレリナ」をはじめ、ナイロン樹脂「アミラン」、PBT樹脂「トレコン」など、各種エンジニアリングプラスチックを幅広くラインナップしている。

今回、世界最大手のカウテックスからサクションブロー成形機を導入することで、サクションブロー成形に最適な材料の開発力を強化すると同時に、ターボダクトの成形加工技術まで含めトータルなソリューションを提案する。

ターボ搭載車の世界市場の伸長が予想されており、2020年には現在の約2倍となる3900万台にまで拡大する見込み。東レでは、自動車向け先端材料・部材の総合技術開発拠点「オートモーティブセンター」と緊密に連携し、サクションブロー成形機を活用して、ターボダクト向けに同社エンジニアリングプラスチックスの拡大を目指す。

《レスポンス編集部》

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