【スーパーフォーミュラ 富士テスト】もてぎ戦で使用される“赤帯ソフトタイヤ”が実走

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赤帯の入った「ソフトタイヤ」がテストされた。
赤帯の入った「ソフトタイヤ」がテストされた。 全 16 枚 拡大写真

18日、富士スピードウェイで全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)の公開テストが行なわれ、サイドウォールに赤い帯が入ったソフトタイヤが実走した。このタイヤは「ドライ用タイヤ2スペック同時投入」となる8月の第4戦もてぎで使用される。

激闘だった前日の第3戦の余韻が残る富士スピードウェイ。全チーム居残りでの公開テストは、午前1時間40分(予定より10分延長)、午後1時間30分の2セッションが実施された。天候は午前がこの時季らしい暑さの晴れで、路面ドライ。ランチブレイクに雨が降ったが、午後も曇り~晴れで、路面は概ねドライといえるコンディションだった。

このテストの主な目的は、次戦ツインリンクもてぎ戦からの今季後半戦仕様きりかえに向けたエンジンテスト、そしてもてぎ戦に適用される“スペシャル・ルール”、ドライ用タイヤ2スペック使用制に際して用意される第2スペック=「ソフトタイヤ」のテストとされた(SFのタイヤは今季からヨコハマ製ワンメイク)。

ソフトタイヤは、通常の1スペック供給時にも使用されているミディアムタイヤとの区別のため、サイドウォールに赤い帯が入る(帯の形状等は暫定。もてぎ本番に向け、視認性重視で変化する可能性も)。規則等の運用詳細は未定だが、もてぎ戦ではドライ用の各車あて新品タイヤ4セット中、ミディアムとソフトが2セットずつという内訳の供給になり、決勝では基本的に両スペックを使用しなければならない。F1の規則や状況に近いものといえ、予選~決勝を通じて新たな勝負軸となることが期待されている。

この日は参戦全チーム、全19人のレギュラードライバーが走行(昨日朝のフリー走行でクラッシュし、第3戦決勝を欠場した#64 中嶋大祐=NAKAJIMA RACINGはホンダのテストカーでの出走)。全チームがなんらかのかたちでソフトでの走行データを得ている。まず注目されるのは、ソフトがミディアムよりラップタイム的にどれくらい速いか、その差だ。

この日のトップタイム1分23秒540をソフトでマークしたのは、前日のウイナーである#19 J-P.デ.オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)。彼は「1秒くらいの差ではないだろうか」と語る。僚友で前日3位となった新人の#20 関口雄飛は「いろんな要素を考えると、コンマ8くらいですかね」。他の陣営のドライバーやエンジニアからも、概ね「1秒前後」「1秒弱」という声が多かった印象だが、なかには「コンマ5程度かも」との見解も。

もっとも、富士はニュータイヤでのタイムゲインが少ないコースともされるので、距離が250メートルほど長く、コース特性も異なるもてぎでどうなるかは読みきれないところ。一方、ライフ的な面ではこれも概ねの感触として、「思っていたより(ソフトにしては)もちそう」という声が多かった。

問題は予選をどう戦うか。ソフト(S)とミディアム(M)が新品2セットずつで、予選がQ1~Q2~Q3とあることを考えると「理想はM~S~S」。ただ、タイム差接近が常のSFでQ1をMで突破するには、マシンの仕上がりがかなり良くないと難しいだろう。「現実的には皆、S~S~Mになるのではないか」という声が聞かれ、なかには「S~Sと来た場合、Q3はユーズドのSかもしれない」という観測も。「ルール的に『Q1はMで』というような決めをした方が(演出的に)いいのでは」との意見も聞かれた。

いずれにしても、1カ月先のもてぎ戦ではいつも以上に焦点豊富な戦いが展開されそうだ。

なお、この日のテストでは今年のSFでシリーズ全体としての課題となっているカーボンブレーキについても、次戦もてぎはブレーキに厳しいコースだけに新たな試みが展開されていた模様。エンジンに関してはトヨタとホンダの競争状態にあるため、ベールに包まれた部分が大きいが、両陣営とも後半戦のアドバンテージ構築に向けてそれぞれのメニューをこなしていたようだ。

富士テストはこの日のみで終了。SF第4戦ツインリンクもてぎは8月20~21日に開催される。

《遠藤俊幸》

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