ヤマハ発動機の柳弘之社長は8月4日の決算発表の席上、米国カリフォルニア州のワイナリー向けに販売する無人ヘリコプター「UMS」について「導入が始まると一気に広がる」との期待感を表明した。
この事業は、今後の成長戦略の柱のひとつに位置付けている「米国農業市場」の開拓を担っている。米国ワインの最大の産地であるナパバレーでの農薬散布に使う。現地での実証試験を経て、このほど関係先から導入の認可を得ており、近く販売を始める計画だ。
柳社長によると、「現在の農薬散布はすべて人手に頼っている。UMSにするとコストは約10分の1で済む」といい、「一気の普及」への期待につながっている。ヤマハ発は、1983年に産業用無人ヘリに参入、国内で農業用などを販売してきた。海外向けは2003年から韓国の農業用に参入し、15年までに228機の登録実積をあげている。米国はこれに次ぐ本格的な市場開拓となる。