【愛車の音質向上作戦】チューニング機能を駆使する

自動車 テクノロジー カーナビ/カーオーディオ新製品
カロッツェリア・サイバーナビの設定画面。
カロッツェリア・サイバーナビの設定画面。 全 1 枚 拡大写真

愛車のオーディオの音に満足できているだろうか。満足できていないのであれば、当特集をぜひともお読みいただきたい。今回は、“純正スピーカーのまま”という条件のもと、比較的に低予算で実現できる「音質向上作戦」を、計4回にわたってご紹介していく。

第1回目となる今週は、“純正スピーカーのまま”で音を良くするための「サウンドチューニング・テクニック」をご紹介していく。

■基本機能である「バランス」と「フェダー」でも、音質向上は可能!

まずは、どんな機器でも必ず搭載されている、「バランス」と「フェダー」の使いこなし方から解説していきたい。あまりに基本的な機能であるが、この「バランス」と「フェダー」も、使ってみると案外役に立つ。

「バランス」とは、左右の音量バランスを調節する機能だ。デフォルトでは“センター”に合わされているはずだ。助手席に人が乗っているときにはそれで良いが、自分1人の場合は、そのままにしておくべきではない。

操作方法は簡単だ。つまみを左側に動かしながら、左右のスピーカーの音量が同じくらいになるポイントを探っていこう。左右の音がバランス良く聴こえると、音像が立体的になり、心地良さが一気に増すはずだ。

次は「フェダー」だ。これは、前後の音量バランスを整える機能である。「サラウンド的な効果を得るためにリアスピーカーも鳴らす」というアプローチはあるももの、後ろに人が乗っていないのであれば、「前10:後0」で使用するのが、1つの基本スタイルではある。ステレオは、音源が2chに振り分けられたものであるので、スピーカーは2本あれば十分なのだ。

ただし、「後ろをちょっとだけ鳴らす」というテクニックは存在している。リアスピーカーを少々鳴らすことで、低域の量感を増やすことが可能となるのだ。

試しに、「10:0」の状態から、「フェダー」を徐々に後ろに動かしていってほしい。動かし過ぎると、ボーカル等の中・高域の音が後ろから聴こえてくる。そうなってしまったら、動かし過ぎだ。そこからまた、少しずつ前側に戻していこう。

そして、ボーカル等が後ろから聴こえてこなくなったら、そこで一旦止め、しばらくその状態で音楽を聴いてほしい。その後もう1度、「10:0」の状態に戻し、聴こえ方を比べてみよう。その2つを聴き比べると、ちょっと後ろに動かした状態のほうが、低域がたっぷりとした感じに聴こえていたことに気が付くはずだ。

中・高域の音は“指向性”が強い。しかし低域の音は“指向性”が弱い。リアスピーカーから中・高域の音が聴こえてくると、それが耳につき、ステレオイメージが崩れてしまう。しかしリアのボリュームを下げていくと、中・高域はシート等にブロックされて聴こえてこなくなる。しかし低域はシートを回り込んで耳に届く、というわけなのだ。

■「イコライザー」を“味付け”として楽しむ方法とは?

続いては、「イコライザー」について解説していきたい。

ところでひと口に「イコライザー」と言っても、機種によってできることが大きく異なる。“バンド数”に違いがあるからだ。もっともシンプルなユニットでは「トレブル(高音)」と「バス(低音)」しか操作できない。対してAV一体型ナビの上級機ともなると「13バンド」タイプが搭載されている。

2バンドタイプの場合はむしろ、頻繁に触ってみても面白い。聴いている音量に応じて使い分ける、という活用の仕方があるのだ。

例えば、高音。高音は、小音量時には聴き取りづらく、大音量時にはきつく感じられるものである。なので、小音量時には「トレブル」を上げ気味に、大音量時は「トレブル」を下げ気味にすると、それぞれの局面で音楽が聴きやすくなるはずだ。

対してバンド数の多いタイプでは、どのように扱うと楽しめるのかと言うと…。

まず「イコライザー」の役割について解説しておこう。「イコライザー」には2つの役割がある。“補正”の役割と、“味付け”の役割、以上の2つだ。

クルマの中は狭く、そして音の反射・吸収が起きやすく、周波数特性が乱れがちだ。「イコライザー」を使いこなすことで、それに対処することが可能となるのだ。

しかしながら、特性の乱れを探しあてるのは、なかなかに難しい作業である。なので今回は、“補正”ではなく、“味付け”的な楽しみ方について解説しようと思う。

“味付け”的に使うというのは、「美味しいと思うところを増強して、必要性が薄いと思うところを減らす」というような運用方法である。そうすることで、好みの音色を作り出すことが可能となる。

具体的な方法をお教えしよう。もっとも操作しやすいのは、「プリセットデータ」を活用する方法だ。多くの機種で、もともと例えば“ロック”とか、“ボーカル”とか、なんらかの「イコライザーカーブ」がプリセットされているはずだ。まずはその中から、自分が好きだと思えるものを選んでほしい。そうして、その時の設定値を、一旦、写真に収めておく。

次に、任意に操作できる画面を呼び出し、写真に収めたとおりの設定を復元してみる。そうして、その状態から微調整を加えてみよう。つまり、「プリセットデータ」をベースに、自分好みの「イコライザーカーブ」を探していく、というわけなのだ。

この場合、「フラットに戻していく方向」に調整していくことがコツとなる。「プリセットデータ」は、どちらかといえば、大げさな操作となっていることが多い。なのでそれを戻し気味にしていくと、案外ちょうどいいあたりが見つかったりする。ご参考にしていただきたい。

■「サブウーファーコントロール機能」が搭載されていたらしめたもの…。

最後に、とっておきのテクニックをご紹介しておきたい。それは「ドアのスピーカーの下側の帯域をカットする」というテクニックである。

ドアのスピーカーは、100Hzあたりよりも下側の音を出すことを得意としていない。特に純正スピーカーほど、その傾向が顕著だ。なので、不得意な部分は諦めて、その負担を取り除いてやろう、というわけなのだ。そうすると、ドアのスピーカーのストレスが減り、それよりも上の音を鳴らすのにも良い影響が出てくるのである。また、ドアのスピーカーに低い音を鳴らさせると、ドア内部の鉄板がビビりがちとなる。それを防止する効果も見込まれるのだ。

ちなみに、この操作が可能なメインユニットは、「サブウーファーコントロール」機能が搭載されているメインユニットに限られる。それが搭載されている場合、サブウーファーと、ドアのスピーカーの役割分担を設定することが可能となる。これを利用して、ドアのスピーカーに送られる音楽信号の下側を、カットしようというわけだ。

操作の際は、カットする範囲と、カットする減衰率を設定できるので、カットし過ぎないように気を付けながら、それでいて音がスッキリとするポイントを探っていこう。

さて、いかがだったろうか。とにもかくにも、お使いのメインユニットには、なんらかの調整機能が搭載されているはずである。せっかくの機能なので、どうせならばいろいろと触ってみて、音質向上に役立てよう。狙いどおりに扱えるようになると、「サウンドチューニング」が、さらに面白くなるはずだ。

次回は、機械的なチューニングではなく、物理的なチューニング、つまりは“デッドニング”について解説していこうと思う。次週の当コーナーも、お読み逃しなきように。

“純正スピーカーのまま”、愛車のサウンドを良くする方法とは!? 第1回「チューニング機能を駆使して音質向上!」

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  2. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る