【ジャガー F-PACE ディーゼル 試乗】近年のジャガーの文脈上に生まれた…島崎七生人

試乗記 輸入車
ジャガー F-PACE 20d PRESTIGE
ジャガー F-PACE 20d PRESTIGE 全 9 枚 拡大写真

生まれながらにスマホがあった世代なら何とも思わないだろう。が、「Eタイプいいよね」などと今でも心の中で思うオジサンにとって、ジャガーからSUVが登場しただなんて、紙の硬キップが一瞬にしてSUICAに変わった…それほど「エエッ!?」な驚きではある、本当は。

とはいえ仮想現実でも何でもなく本当に姿を現わした『F-PACE(エフ・ペイスとクッキリと発音する)』は、近年のジャガーの各モデルの文脈からすれば、その延長線上にある。フロントマスクはサルーン系と共通のモチーフだし、リヤウインドを寝かせてシュン!と絞った形は、ポルシェのSUVモデル以上のスポーティさだ。19インチの大径タイヤで足元を固め、今どきの高性能SUVの風潮にしっかりと乗っている。

インテリアはエンジン始動で自動的にせり上がってくるコンソールのセレクターダイヤルなど、最近のジャガーで見慣れた光景。後席はヒップポイントが案外と低くシートバックも寝ており、スポーツセダンの後席のよう。広さはラゲッジスペースを含め、十分なものとなっている。

試乗車はシリーズでは比較的ベーシックな「20d PRESTIGE」(車両本体価格663万円)。設計から生産までジャガー・ランドローバーが手がけたという新規開発の2リットルの4気筒ディーゼルターボ(180ps/430Nm)を搭載、8速ATが組み合わせられる。その走りは十分なトルクに助けられ力強く、試乗会場近辺の山岳路でも9%の勾配を何なく駆け上がってみせた。

コンコンと小さなショックが伝わるモノコックボディはいかにもアルミ主体(80%)と思えるもので、1920kgの車重を意識させない軽快な印象の身のこなし。とはいえステアリングフィールのなめらかさに、いかにもジャガーを走らせていることを実感させてくれる。キーの役割を果たすリストバンド、自動で展開/格納するサイドステップなどのギミックも満載だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【日産 ルークス 新型】「ルークスはパイクカー」開発デザイナーが立ち返った“軽ならではのデザイン”とは
  2. 日産『リーフ』新型、米国EV最安値の約440万円から…今秋発売へ
  3. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
  4. 「アルパインスタイル仙台R4」がグランドオープン、待望の仙台エリアへ出店
  5. 三菱『デリカミニ』がフルモデルチェンジ!「やんちゃ坊主」感アップ、走りも三菱らしく進化
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る