震災から4か月、ホンダ熊本製作所 完全復旧までの道のり

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ホンダ 熊本製作所(熊本県大津町)
ホンダ 熊本製作所(熊本県大津町) 全 1 枚 拡大写真

24日、ホンダは熊本製作所がほぼ通常稼働したことを明らかにした。熊本地震から4か月、同社の二輪車生産復旧までの道のりを追った。

同製作所は二輪車生産の拠点であり、その中核は大型モデルを生産する「FUNライン」だ。22日までに、同社はこのラインでの生産を震災前の水準に戻す準備を整えた。現状で通常稼働を続けることができたため、今回の公表となった。

二輪車生産には3つのラインがある。先に立ち上がっていたのは「コミューターライン」だ。同ラインは排気量50ccバイクを生産するため部品点数が少なく、その部品をラインに運ぶ搬送ルートも簡素化されているため、他のラインと比較すると短い時間で復旧にこぎつけることができた。

ただ、もう1つの「マルチライン」は、先の2つのラインよりさらに複雑な工程を必要とするため、完全復旧は9月初旬にずれ込む見込みだ。マルチラインは250cc、400cc、750ccなどの複数モデルを生産する。

4月14日の震災発生当時から稼働を止めた同製作所では、二輪車の組み立てを6月6日から少量生産で再開した。震災による損傷でライン生産ができないため、1チームが1台を組み上げるセル生産に切り替えて対応だった。

この生産縮小で、臨時雇用を除いても従業員2500人を抱える熊本製作所は、一時従業員の配置転換も余儀なくされた。同所にある本田技術研究所の社員300人が埼玉県朝霞市にある二輪R&Dセンターにサテライト勤務、量産部門からは鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)200人、埼玉製作所(埼玉県小川町)に200人、九州地区の二輪車を含む販売店に50人の450人が長期滞在の形で出向した。そうした従業員も7月中に、すべて熊本製作所に帰ってきた。熊本製作所の生産能力は、震災前にほぼ戻っている。

唯一の変化は、軽四輪エンジン部品の生産だ。現状ではその一部が鈴鹿製作所に移管し、生産体制を整えることになった。10月頃に復旧の見込みだ。

《中島みなみ》

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