デンソーの人工知能プロジェクト…ポイントはDNN、小電力、共通化

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デンソーAI R&Dプロジェクト
デンソーAI R&Dプロジェクト 全 13 枚 拡大写真

25日、デンソーは人工知能研究の世界的権威、金出武雄教授(カーネギーメロン大学)の技術顧問就任にあわせて、記者向けのAI技術説明会を開催した。説明会では、同社が取り組む先端技術6つをデモ展示とともに解説した。

【画像全13枚】

デンソーはこの分野でどんな研究、開発を行っているのか。それぞれの技術を紹介していこう。

1:Human Agent Interface(HAI)
ドライブシミュレータによって、対話式に自動駐車を再現するデモ。HAIは、単なる音声ガイドではなく、機械学習によってさまざまな会話パターンを解析し、カーナビの設定、自動運転支援の制御を行ってくれる。デモでは、空きスペースを認識したあと、駐車場所を決定するのにドライバーと「どこに駐車しますか」「人のいないところ」といった対話によって、適切な場所判断していた。

2:高速・小メモリでの画像認識技術
同社が開発した「SPADE」と呼ばれる汎用物体認識ソフトウェアの展示。特徴はニューラルネットワークによる機械学習、ディープラーニングのような膨大な計算リソースを必要としない独自のパターンマッチングのアルゴリズム。専用のECUやグラフィックプロセッサを利用せず、既存のECUの機能として組み込んだり、工場の部品検査に応用したり、多目的な利用が可能。

3:組込み向け機械学習プラットフォーム
機械学習システムは、強力なコンピュータによって学習させたアルゴリズムと制御パラメータによって構成される。つまり、学習をさせるコンピュータと学習を積んだアルゴリズム(+パラメータ)を機器上で実行するコンピュータは同一でない。そのため、学習結果を実機に移行するには、プログラムの修正が必要となる。機械学習の演算部分を共通プラットフォーム化することでこれを回避し、機械学習による組込み機器の開発効率を上げることができる。

4:DNNアクセラレータ(試作)
ディープラーニングを行うDeep Neural Network(DNN)によって学習したアルゴリズムを実行するコンピュータは、高速なグラフィックプロセッサや強力なプロセッサが必要だが、これをLSIまたはFPGA化(ハードウェア化)することで、消費電力を下げ高速処理を上げることができる。

5:ニューロコンピューティング(試作・基礎研究)
メモリスタという抵抗値の状態によって情報を記憶するメモリを利用して、ニューラルネットワークを構成する機械学習、ディープラーニング専用のコンピュータ。実現すれば、高精度な認識を行う人工知能が、より小型化、小電力化、高速化される。

6:ディープラーニングを活用したリアルタイム歩行者認識
単眼カメラの画像から、リアルタイムで動いている歩行者を認識するシステムのデモ。ディープラーニングによって学習したアルゴリズムが、実際どの程度まで歩行者(人間)を認識できるのかを、カメラとモニタ画面で確認できる。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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