研ぎ澄まされた進化。サイバーナビの魅力とは。

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研ぎ澄まされた進化。サイバーナビの魅力とは。
研ぎ澄まされた進化。サイバーナビの魅力とは。 全 8 枚 拡大写真

カロッツェリアのフラッグシップ「サイバーナビ」がこの夏、大変身を遂げた。ハードもソフトもすべてを一新した、サイバーナビ史上かつてないフルモデルチェンジを果たしたのだ。その進化のポイントはどこのあるのか、近未来への展望も含め、開発担当者に話を聞いた。

20年続くサイバーナビという確固たるブランド。

サイバーナビは1997年にDVDナビとして登場以来、間もなく20年が経とうとしている。この間、サイバーナビは時代の最先端を行くカーナビゲーションとして常に業界をリードし続け、同時にユーザーの期待を一身に背負う立場となって来た。そのサイバーナビが“史上最大のモデルチェンジ”を遂げたのだ。

今回、開発にまつわる話を伺ったのは、パイオニア(株)市販事業部 事業企画部 市販企画部マルチメディア1課の内田有喜氏だ。氏自身、サイバーナビの魅力に取り憑かれてパイオニアへ入社した典型的な“サイバーナビオタク”でもある。それだけにサイバーナビへの想いは人並み以上。この日も新型サイバーナビが誕生するまでの秘話を熱く語ってくれた。

今回のフルモデルチェンジの中で1つ目のトピックスは、システムプログラムやナビデータを収録していたメディアをハードディスク(HDD)から32GBのSDメモリカードへと変更したことだろう。サイバーナビは長いことHDDを採用してきただけに、一見するとHDDからの“格落ち”を感じるかもしれない。しかし、車載スペックのHDDの供給が終わりを告げつつある今、いつまでもHDDにこだわっていられる時代ではなくなっているのも確かだ。

これについて内田氏は「メモリーにはアクセスが速いというメリットがあります。その速度はHDDと比べても桁違いに速い。HDDが入手困難になりつつある今、それに合わせたハード設計が必須になってきています」と語る。HDDには大容量化がしやすいというメリットがある一方で、メモリーと比較するとアクセスの面でマイナスとなる。いつまでもHDDにこだわっていれば、これがボトルネックとなってサイバーナビが持つ本来の能力を生かし切れないこともあり得るというわけである。

一新されたプラットフォームで何が変わったのか?

これに伴ってプラットフォームも一新した。その効果はスペック上にはっきりと現れている。処理速度は従来比で3倍。地図はフォーマットや描画エンジンを含めてイチから見直し、見やすさを常に意識したものに変更している。そして、測位精度向上には専用チップを5年ぶりに復活するなど、「従来のしがらみから解き放たれたことで、可能になったことはずいぶんある」(内田氏)とする。

二つ目のトピックスは、サイバーナビの伝統でもある測位精度へのこだわりをさらに強くしていることだ。その核となっているのが自車位置精度専用システム「レグルス」の採用である。測位精度専用チップを新開発して復活させ、新たに「6軸3Dハイブリッドセンサー」までも組み合わせることで、GPSだけでなくグロナス、みちびきを同時受信。さらにSBASと呼ばれるGPSの補正データにも対応することで測位精度を大幅にアップして、従来のサイバーナビとは桁違いの測位精度をもたらしたのだ。

ここで内田氏は自車位置精度専用システム「レグルス」にまつわるエピソードを披露してくれた。「レグルスとは、しし座でもっとも明るい恒星のひとつで、5番目に並んでいる。新型サイバーナビはそれに倣って第五世代目の精度専用システムという意味がある」(内田氏)という。“道は星に聞く”から25年以上のカーナビの歴史を刻んできた意味をここに込めたというわけである。

見逃せないのは、高精度測位を引き出すためには高精度な地図データも欠かせないということだ。パイオニアのグループ会社にはインクリメントPという地図会社を持っており、サイバーナビに最適化した地図データはここで開発されている。つまり、パイオニアは元々このIPCとの協業がしやすい関係にあり、こうした地図側からのサポートがあったからこそ測位精度で優位に進めることができたとも言える。

未来へ繋がるカーナビゲーションとしての歩み

そして、この新型サイバーナビが実現した優れた測位能力は、やがて実現すると言われる自動運転にもつながっていく。自動運転を実現するためには数センチレベルの高精度測位を実現する能力が求められるが、それだけにこの協業がもたらしたメリットは大きい。内田氏も「だからこそ一切の妥協をすることなく測位精度向上に努めてきた」と話す。この協業は自動運転という未来に向け、確実な成果を上げてきていると言っていいだろう。

しかも新型サイバーナビでは、ライバルの多くが採用する3年間で1回とする地図データ更新を、向こう3年間にわたって差分更新(スマートアップデート)と全データ更新ともに年間最大6回の更新を予定する。そこには「常に最新データの下でルートガイドを実現したい」というサイバーナビならではの基本姿勢が反映されていると言っていいだろう。

そして3つめのトピックスが、この秋以降に実施予定としている「スーパールート探索」の導入だ。ルート探索をサーバー型とすることでリアルタイム性、多様性、大容量ストレージ、高度な処理能力で常に最適なルート探索を提案できるようになったのだ。もともとサイバーナビには、目的地へ単に早く到着できるというだけでなく、そのルートの品質にもこだわるという考え方があったが、それを新型ではサーバー型を取り入れることでその質をさらに高めているのだ。

特に「スーパールート探索」で重要となるのは“タイムスライス”という手法で、サーバーに蓄積された時間軸で変化していく交通情報を予測しながらルートガイドに反映させていくというもの。サイバーナビではこれまでもこの手法を採用してはいたが、その元となるデータはHDD内に置いていた。「スーパールート探索」では、サーバーにあるプローブデータも含めた最新データを活かせるので、ルートガイドの精度は究極なまで向上する。

内田氏に言わせれば「一般的には“ここまでこだわるか!?”と思わせることを、サイバーナビの開発者はごく当たり前のように捉えている。その理由は、それがたとえ些細なことであっても積み重ねによって大きな誤差へとつながっていくから」という。これは右折時や複数車線横断時の所要時間を加味したり、踏切を朝夕と昼間で通過時間を違えるなど、そうしたアルゴリズムをルート探索に細かく反映させている点。さらにロードサイドのコンビニやガススタに立ち寄ったときの自車位置をマップマッチングから外す技術からもうかがい知ることができる。

こうした些細と思われることでも、対応可能なことはすべて取り入れていく。プラットフォームを一新した新型サイバーナビとなっても、その基本的な考え方に変わりはない。まさに『サイバーナビ』たる所以はここにあるのだ。

carrozzeria CYBER NAVIはこちらから

《会田肇》

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