【BMW i8 試乗】絶世の美女は意外にも気さくであった…鈴木ケンイチ

試乗記 輸入車
BMW i8
BMW i8 全 8 枚 拡大写真

BMW「iブランド」のフラッグシップにして、1966万というプライスタグが添えられたBMW『i8』。ガルウイングを備えるカーボンファイバーの身体にはプラグインハイブリッド・システムが詰め込まれ、最先端のテクノロジーと伝統的なスポーツカーの魅力がミックスする。

搭載するプラグインシステムは独特で、フロント・タイヤを最高出力96kW(131ps)/最大トルク250Nmの電気モーター、リヤを最高出力170kW(231ps)/最大トルク320Nmの1.5リットル3気筒BMWツインパワー・ターボ・エンジンが駆動するという4輪駆動だ。2つの動力を使って、EV走行/EV+エンジンのハイブリッド走行を使い分ける。2つの動力を加算すれば、300馬力/500Nm級のパワートレインである。完全なEV走行は最長40.7km。ハイブリッドJC08モード燃費は19.4km/リットルとアナウンスされている。

ドキドキしながら、カーボンファイバーの太いサイドシェルをまたいでドライバーシートへ。ここで、おや?と。操作系は、普通のBMWセダンなどと同じではないか。これには、正直、ホッとした。高額で特別なクルマを借りて走らせるということで、少々、身構えていたけれど、これなら使いこなせそうだ。

走りだせば、「使いこなせそう」という印象はさらに強まる。アイポイントは低いけれど、視界も意外と広い。クルマも小さく感じる。ステアリングの手応えも軽く、なによりも、操作に対するクルマの動きが素直そのもの。エンジンだけでなく、モーター&電池という追加重量をカーボンファイバーで相殺した車両全体の軽さも効いているのだろう。

スタートの一歩目のEVモードは滑りだすようで、加速感もドライバーのイメージ通り。ほとんどFFであることを気にさせない。ハイブリッドモードでも通常モードであれば、エンジンは控えめで、スムーズさの印象が強い。もちろんアクセルを深く踏み込めば「さすが!」の加速を見せるが、“どこかに飛んでいきそう”という不安はまったくない。

また、シフトノブを左に倒して、スポーツ・モードにすれば、エンジン・サウンドが元気いっぱいに室内に響きわたり、クルマも一気に俊敏な動きとなる。しかし、普通の流れに乗ったスピード域での軽い動きと意のままの動きだけでも十分に楽しい。

特殊な超弩級スーパーカーと思っていたけれど、実際に走らせた『i8』には、ライトウェイトスポーツのような楽しさがあった。絶世の美女は、意外にも気さくだったのだ。これならば、日常の通勤に使っても困ることはないだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

鈴木ケンイチ | モータージャーナリスト(日本自動車ジャーナリスト協会会員)
新車のレビューからEVなどの最先端技術、開発者インタビュー、ユーザー取材、ドライブ企画まで幅広く行う。特に得意なのは、プロダクツの背景にある作り手の思いを掘り出すインタビュー。

《鈴木ケンイチ》

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