【アウディ TechDay 16】オキュラスを装着したまま運転し、先進安全装備を体験…VRトレーニング

自動車 テクノロジー 安全
オキュラスをつけてのVRトレーニング
オキュラスをつけてのVRトレーニング 全 6 枚 拡大写真

ドイツの高級車ブランド、アウディは、ドイツ・ミュンヘンにおいて「TechDay」というイベントを報道陣向けに行った。アウディの最先端技術を披露するイベントで、様々な国から訪れた報道陣を相手に、次々と最新技術が紹介された。

空港近くの広々とした敷地に案内されると、そこにあったのはクルマが2台。ただそれだけだ。しかしここでアウディの最新技術を体験することができるのだという。その秘密がVRだ。

アウディ『A4』の運転席に乗せてもらうと、助手席に座っている担当者の説明を受けてVR機器「オキュラス」を装着する。すると目の前に広がるのは駐車場。左を見ると、信号の先には街路樹に囲まれた街中の風景が広がっていた。

担当者の指示に従いながら、実際にアクセルを踏み、ハンドルを握って運転を始めた。街中に入ると左右には歩道があり、歩行者や自転車、ベビーカーを押した人たちが行き交っている。ハンドルを握る自分の手とサイドミラーに映る景色は見えないが、それ以外はどこを見てもリアルで、まるで本当に自分が街中でクルマを走らせているような錯覚に陥る。

そのままぐるっと回って同じ道を戻って来る。現実には線も引かれていないのだが、VR上ではしっかりと車線があり、歩道や芝生になっている箇所もあるのでどこをまっすぐ走り、どこで曲がればいいのかわかるようになっている。街路樹に囲まれた道を駐車場に向けて走っていると担当者から「左のバイクを見て」と言われた。そちらに視線を移す。すると突然、目の前をベビーカーを押した女性が横断した。

間に合わない! と思った矢先、クルマは自動で急ブレーキ。なんとか2人ともぶつからずに止まることができた。今回のVRトレーニングの目的は、このような先進安全装置を体感すること。実際に人を危険にさらすことなく、リアルなシチュエーションで試すことが可能になる。実際のブレーキで体にかかるGは、やはり実際に走っているクルマを止める以外ではなかなか感じることができないものだ。

その後、目の前に表示された矢印に沿って運転し、青い枠で囲まれた場所にクルマを止め、VRトレーニング終了。オキュラスを外してクルマを降りると、最初に出発した場所と全く同じ場所に戻ってきていたことに驚き。もう少しずれが生じると思っていたが、GPSとDGPSの併用により、非常に細かい位置情報を処理しているのだという。

このVRトレーニングは、アウディの販売員用に使われているということ。お客さんに先進安全装備の説明をする際、どういったものなのかより詳細に説明できるよう、活用されているということだ。

ちなみに周りから見たら、前も見えない状況でクルマを運転しているという、いろんな意味で「危ない」光景だったのは間違いないだろう。しかし不思議なことに、乗っている側は目の前に映る映像とクルマの挙動がかなりの正確さでシンクロしているため、すぐに慣れてしまい、恐怖感は最初の一瞬を除いてまったく感じなかった。

〈取材協力:アウディ〉

《関 航介》

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