【ハーレー CVOストリートグライド 試乗】114ciならではの圧倒的トルク…青木タカオ

モーターサイクル 新型車
パワフルさに磨きをかけた 2017年式 CVO ストリートグライド
パワフルさに磨きをかけた 2017年式 CVO ストリートグライド 全 81 枚 拡大写真

ハーレーのニューエンジン『Milwaukee Eight(ミルウォーキーエイト)』は、排気量1745ccの107キュービックインチ版をスタンダードとしている。

しかし、ファクトリーカスタムの最高峰『CVO(カスタム・ビークル・オペレーションズ)』2機種には、123cc増しの1868ccエンジンが積まれ、よりいっそうのプレミアム感が与えられている。

両雄の1台、『CVO ストリートグライド』にアメリカ・ワシントン州で乗る機会を得たが、『Twin-Cooled,Milwaukee Eight114』 のパワフルな加速には驚いた。低回転域から一段と図太いトルクを発揮し、そのまま最大トルクを発揮する3250rpmを迎え、さらに高回転まで伸び上がろうとするのだ。

4バルブ化によって全域でパワー向上を果たしており、トルクバンドがよりいっそう広く、忙しないギヤチェンジは不要。アクセルをワイドオープンすれば、あっという間にハイスピードレンジという具合で、高速クルージングがますます得意になった。

高性能化したエンジンではあるが、Vツインらしい鼓動感がしっかり残っているのがいい。ツーリングファミリー全般に積まれる Milwaukee Eight 107はボア×ストロークを100×111.1mm としていて、従来のスケールアップ版ならこれをボアアップするところだが、CVO用 Milwaukee Eight 114 はボアだけでなくストロークも同時に伸ばした。

ボア102mm×ストローク114.3mmのロングストローク設計を重んじていて、純正カスタムパーツとして同時リリースされた107→114スケールアップキット(こちらはボアだけを拡げる)では、このロングストロークならではのトルクフルでゆったりとしたパルス感は得られないのかもしれない。

オーディオのサウンドが素晴らしいのはスピーカーを12基(ツイーター×4、ミッドレンジ×4、フロントウーファー×2、リアウーファー×2)も備えているからで、300ワット4チャンネルアンプ(75W×4)、充実したイコライザー機能によって、USB接続した自分の iPhoneにあるお気に入りの音楽が楽しめた。

生まれながらのカスタム・ホットロッドバガー。究極のファクトリーカスタムは2017年式でニューエンジンを獲得し、ますます魅力的だ。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★
コンフォート:★★★★
足着き:★★★
オススメ度:★★★★


青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のバイクカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説。現在、多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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