【ルノー トゥインゴ 試乗】デザイン性も含めてお買い得度は文句なし…青山尚暉

試乗記 輸入車
ルノー トゥインゴ
ルノー トゥインゴ 全 13 枚 拡大写真

新型ルノー『トゥインゴ』は「TWINGO PARIS」とうたうことからも分かるように、パリを強調した新型だ。

【画像全13枚】

ところで、新型ルノートゥインゴとダイムラーのスマート『フォーフォー』はいわゆる 兄弟車。プラットフォーム、4ドアの基本ボディー、エンジン、デュアルクラッチのミッションなどを共用する。

日本でのデビューはスマートフォーフォー(NAモデル)のほうが早かったため、新型ルノートゥインゴはスマートフォーフォーと中身がいっしょ…そんな印象を持つかもしれないが、実際はまったく逆。ルノーが開発したプラットフォーム、エンジン、ミッションなどをスマートに提供。ゼロから開発した本家はこちらで、ルノーにとってスマートはOEM供給先のお客さま。事実、スマートフォーフォーはルノーの工場でつくられている。

ちょっぴり可愛いルノー顔が特徴の、キャンバストップ仕様も用意されるボディは先代トゥインゴに対して全長で80mm短く、しかしホイールベースは125mm長い。全長が短くなるとフロント部分のクラッシャブルソーンまで短くなっていそうで心配…する必要はない。

新型トゥインゴの駆動式はRR。つまりエンジンはキャビンの背後下に置かれ、フロント部分には十分なクラッシャブルソーンがある(トランク機能はなし)。では、リヤにエンジンがあるから荷室スペースが犠牲になっているのかと言えば、そんなこともない。確かにフロアは高めだが、荷室奥行きはむしろ先代より100mm広がっている。

スマートフォーフォーと多くの部分が共用されるが、トゥインゴらしさはスマート フォーフォーのドイツ車っぽさとは別物のパリが香る内外装デザイン、色使い、そ して前後異サイズのタイヤ(前:165/65R15、後:185/60R15)、シートのクッション部分などである。ちなみに自動ブレーキやACC(アダプティブクルーズコント ロール)などの先進安全装備は用意されない。

リヤ部分に搭載されるエンジンは3気筒、0.9リットルのターボユニット(90ps、 13.8kg-m)。組み合わされるミッションはゲトラグ製6速EDC。JC08モード燃費は21.7km/リットルを達成し、ルノー初のエコカー減税車となった(祝)。最小回転半径は4.3mと軽自動車並みで、小回り性は抜群だ。

走りはスマートフォーフォーと大きく変わるはずもないが、もちろんルノーらしさ 、トゥインゴらしさはある。共通の美点として挙げられるのは3気筒とは思えないスムーズ極まる伸びやかなエンジンフィール、マニュアルベースの2ペダルミッション である6速EDCのATに迫る自然な変速、クラスを超えたしっかり感ある乗り心地など。その上でトゥインゴらしさと言えば、より体に優しい乗り味ではないか。微細 なサスペンションセッティング、シートのクッション性、タイヤのサイズ変更が影響しているのかもしれない。

操縦性はひらりひらりとした身のこなしが特徴だ。それでいてリヤのふんばり感は確かで、軽快でありながら終始落ち着いた走行感覚が好ましい。いわゆるダウンサイジングターボエンジンのレスポンスの良さも、そうした軽快感ある走りを加速させる一因だ。

ちょっと気になったのは低速域での前輪のインフォメーション不足。パワーステア リングを通じてタイヤがどこを向いているのか、ややつかみにくいのだ。ただし、速度が乗ってくるとそれなりの直進感は得られるから、多くの人は気にならないと思う。

そしてエンジンの静かさも特筆に値する。高回転まで回しても3気筒感皆無でひたす らスムーズかつ静か。ただし、終始後方にあるエンジンが発する低音のこもり音は認められる。「RRらしさ」として許容するか否かはユーザー次第か。

最後にとっておき情報を。新型トゥインゴの価格は何と輸入コンパクトで200万円 を切る189万円。キャンバストップ仕様でも199万円(サイドエアバッグ標準)。 装備がより上級、高級になり充実するものの、スマートフォーフォーのターボモデルは256万円だから、ルノーならではのデザイン性を含めお買い得度は文句なしと言えそうだ。「TWINGO PARIS」というファッションブランドのようなオシャレな響き、ロゴにそそられる人も多いんじゃないだろうか。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
ペットフレンドリー度:★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージングデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がけ、犬との快適・安心自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動も行っている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ムック本「愛犬と乗るクルマ」(交通タイムス社刊)好評発売中。

《青山尚暉》

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