【プジョー 308 ディーゼル 試乗】小排気量ディーゼルとしてトップクラスの洗練性…藤島知子

試乗記 輸入車
プジョー 308SW GT BlueHDi
プジョー 308SW GT BlueHDi 全 6 枚 拡大写真

日本においては、メルセデスベンツやBMW、ボルボといったプレミアムメーカー中心だったクリーンディーゼル車のラインナップ。ここにきて、輸入車の中では比較的身近なメーカーといえるプジョー、シトロエン、DSをとりまとめる仏・PSAグループがディーゼルの販売に踏み切ったことは嬉しいニュースといえるだろう。

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なにせ、フランスのディーゼル車比率は約7割。欧州きってのディーゼル大国であるだけに、ガソリンエンジンのラインナップは3気筒の1.2リットル、4気筒の1.6リットルと控え目。今後はそこに1.6リットルと2リットルという、排気量が異なる2つのディーゼルエンジンが加わることで、それぞれの車種本来の持ち味を引き出す構成に変わっていきそうだ。

Cセグメントにおいては、VW『ゴルフ』の影に隠れていたプジョー『308』だが、じつはプジョーの中では最もグレード構成の幅が広い。ガソリンエンジンは3気筒の1.2リットルターボエンジンで、それとは別に1.6リットルと2リットルのディーゼルターボを追加。ボディタイプはハッチバックの「308」とステーションワゴンの「308 SW」で構成される。

先ずは、ハッチバックモデルに120馬力を発生する1.6リットルのディーゼル・ターボエンジンを搭載した「308 Allure BlueHDi」から試乗を開始。すると、ディーゼルならではの特徴を実感させられたのは、発進直後から湧き出す豊かなトルクだった。アクセルペダルはわずかな踏み込みで1340kgの車体を軽々と前に押し出していく。低回転で流していても、ディーゼルにありがちなコロコロと喉を鳴らすようなエンジンのノイズや振動を意識させることなく、快適にドライブすることができる。エンジンを回していくと、6速ATは4千回転程度で上のギアに変速するが、低いエンジン回転で必要な車速が得られる点では、実用燃費が期待できそうだし、お財布に優しそうだ。いずれにしても、小排気量のディーゼルエンジンとしては、トップクラスの洗練性が感じさせるレベルに仕上がっている。ただし、エンジンの伸び感を期待するなら、回転が上がるにつれて力を漲らせていく1.2リットルのガソリンターボエンジンの方が気持ち良さが得られるだろう。キャラを棲み分けることで、好みのモデルが選べるようになっているということだ。

足まわりは16インチのタイヤを装着していたが、足取りはしなやかで優しいタッチで路面を捉えていく。ただ、ハッチバックボディは、ガソリンエンジンに対して鼻先がやや重く、カーブでハンドルを切り込むと、保舵する時の手応えが少し重たく感じた。そのあたりは、同じ1.6リットルのディーゼルエンジン搭載車でも、ワゴンモデルのSWの方が車両の最適な前後バランスと素直な操縦性が得られていると感じた。ベースとなっている車体の作り込み、サスペンションがしっかり仕事ができる環境が整えられていることで、抜群の乗り心地とプジョーらしく、クルマと一体感を得て走る歓びを与えてくれる。

「308 SW GT BlueHDi」と呼ばれる2リットルのターボディーゼルエンジンを搭載したワゴンモデルにも試乗した。車重は先ほどの1.6リットルよりも110kg程度重たいものの、最大トルクは400Nmを発揮する力持ち。アクセルペダルを一蹴りすれば、力強く前に突き進んでいく感覚だ。また、分厚いトルクの効果で低回転時のピックアップが優れており、街乗り走行でスムーズな身のこなしをみせる。何より、前後バランスに優れたSWのボディも手伝って、上質でしなやかな走りが心地良さを与えてくれるあたりにプジョーらしさが感じられた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

藤島知子|モータージャーナリスト
幼い頃からのクルマ好きが高じて、2002年からワンメイクレースに挑戦。市販車からフォーミュラカーに至るまで、ジャンルを問わず、さまざまなレースに参加している。2007年にはマツダロードスターレースで女性初のクラス優勝を獲得した経験をもつ。現在はクルマの楽しさを多くの人に伝えようと、自動車専門誌、一般誌、TV、WEB媒体を通じて活動中。走り好きの目線と女性の目線の両方向から、カーライフ全般をサポートしている。COTYの選考基準は、クルマと共に過ごす日常において、気持ちを豊かにしてくれるクルマかどうかに焦点を当てる。

《藤島知子》

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