【F1】曙ブレーキを含め、和製技術と縁深いマクラーレン…首脳が語る日本企業の魅力

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今季のF1を戦っているマクラーレンMP4-31・ホンダ(#22 J.バトン)。
今季のF1を戦っているマクラーレンMP4-31・ホンダ(#22 J.バトン)。 全 8 枚 拡大写真

4日、F1の名門マクラーレンと日本の曙ブレーキが提携10周年を機に都内で日本GP前の共同会見を実施。会見後、マクラーレンの首脳のひとりであるジョン・クーパー氏に日本企業との縁深さについて訊くと、氏は日本系技術企業の魅力を3つ挙げ、深い敬意と愛着を示した。

昨季からホンダ製パワーユニットを搭載し、マシン開発にも密接な共同歩調を取るなど「マクラーレン・ホンダ」としてF1を戦っているマクラーレン。この名門チームは1988~92年、最初にホンダと組んで80戦44勝の伝説的な強さを発揮した頃から、日本の技術というものに大きな信頼を寄せるようになり、以後も継続的に多くの日本企業と関わりをもってきた。

現在でも曙ブレーキ、カルソニックカンセイ、エンケイ、ケンウッド、アシックスなど、マクラーレンは多くの日本系技術企業(ブランド)と提携してF1を戦っている。和製技術と深く付き合い、ともに戦うことは今やチームのDNAのようにも思えるが、マクラーレン・レーシングのコマーシャル&ファイナンスディレクターであるクーパー氏は「まさにそうだと思いますよ」と言いつつ、日本企業と一緒に働くことの魅力(あるいは喜び)をこう語った。

「日本企業のアプローチには、イノベーション(革新)、デディケーション(献身)、そしてデタミネーション(決意)があります。彼らと一緒に仕事をするのは、我々マクラーレンにとって、とてもハッピーなことなんです」

ホンダとのタッグが実戦で復活してからはまだ2年目だが、曙ブレーキを含む数社とのパートナーシップは多くが一定以上の期間に渡るもの。マクラーレンの活躍は日本企業の存在抜きには考えられない、そう言っても過言ではないだろう。

曙ブレーキの信元久隆・代表取締役社長、根岸利行・常務執行役員らの共同会見での話によれば、10年前、マクラーレンとの提携交渉は極めて早い段階で「(マクラーレン側が)技術ミーティングをもちたい」という段階に進み、その後の提携関係のなかで「耐久性や強度について聞かれることはなかった」そうだ。マクラーレンがそのあたりには一切の不安をもつことなく、性能向上だけを主眼に話ができる状態が続いてきている背景には、曙ブレーキの技術への信頼の高さはもちろん、もともとの“日本”へのマクラーレンの安心感、これも窺えよう。

自チームの人材面でも、マクラーレンと日本の縁は深い。この日の曙ブレーキとの共同会見に登壇した今井弘シニアエンジニア(元ブリヂストンF1)はチームの技術面を支える中核のひとりであり、来季レギュラードライバーとなる大器ストフェル・バンドーン(昨季GP2王者)は現在、日本のスーパーフォーミュラで経験を積みつつ、F1フル参戦に向け準備中だ。

そして今季レギュラーのフェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンも折に触れ、日本への敬意と愛情を語ったり、行動で示したりしている。本当に日本との絆が強い名門F1チーム、それがマクラーレンなのだ(バトンはホンダの前回F1参戦時にも、当時唯一の勝利を06年に当時のホンダレーシングF1チームで挙げるなどしている)。

F1日本GPは三重県の鈴鹿サーキットで7~9日に開催される。マクラーレン・ホンダにとってはいろいろな意味での母国戦。前戦マレーシアGP(7&9位ダブル入賞)以上の好結果が期待されるところだ。

《遠藤俊幸》

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