ランドオペレーター864社、観光庁始まって以来の実態調査を公表

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旅行業法制に関する検討会での田村明比古観光庁長官(6日・千代田区)
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今年1月の軽井沢スキーバス事故をきっかけに、ランドオペレーターの存在が注目されるようになった。彼らは旅行業者の外部委託先として、さまざまな手配を行い、旅行商品を成立させる手助けをするのが仕事だ。観光庁の調査によりその一端が、初めて明らかになった。

今回の調査で事業者数は864社。365社が東京都内に集中し、次いで大阪府、福岡県、愛知県、北海道に点在する。この5都府県で572社、全体の66%を占めることがわかった。

観光庁はそのうち293社から回答を得た。半数が従業員10人未満、資本金1000万円未満の小規模事業者だ。293社のうち170社には旅行業登録があり、旅行業者のとしての側面も持つ。その半数が日本人国内旅行と訪日外国人(インバウンド)旅行の両方に関わっている。

取り扱う旅行商品の平均旅行者数は30人までのパッケージが大半。交通手段、宿泊先、果ては土産物店の手配まで幅広く関わるが、旅行業者の依頼はメールやファックス電話、口頭で行われ、ランドオペレーターから宿泊先、貸切バス事業者などへの依頼も同じだった。同じ内容でも、旅行業法や道路運送車両法の規制を受ける旅行業者や貸切バス事業者には、契約を書面にして保管する義務がある。

調査結果は6日に開催された旅行業法制に関する検討会で公開された。政府は訪日旅行者数を東京オリンピックの2020年までに4000万に、30年に6000万人に増加させることを目標に掲げている。検討会は放置状態にあるランドオペレーターを旅行業法の中に位置付けて産業力を向上、旅行者の安全と安心を強化するための法規制のあり方を検討するものだ。

ただ、初めて実態が公表されたとはいえ、調査対象全体の66%は無回答だったことに委員の一人、東京女子大現代教養学部の竹内健蔵教授は「調査に回答し、業務の適正化を求める業者はしっかりした人で、むしろ我々が検討すべきは無回答だった業者」と、評し、今後の追跡調査の必要性を語った。

観光庁は観光資源課と観光産業課の両課を使って、今後もヒアリングなどで正確な実態の把握に努める。

《中島みなみ》

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