【メルセデスベンツ Eクラス 試乗】手の届くメルセデスベンツは作れないものか…松下宏

試乗記 輸入車
メルセデスベンツ Eクラス
メルセデスベンツ Eクラス 全 15 枚 拡大写真

メルセデスベンツの中核モデルである『Eクラス』がフルモデルチェンジを受けた。外観デザインについては『Cクラス』と代わり映えがしない印象ながら、それ以外の部分では大幅な進化が際立つクルマである。

【画像全15枚】

インテリア回りの質感はCクラスではなく『Sクラス』にも匹敵するような質感を備えている。12.3インチという超ワイドな液晶パネルが2枚も使われたインパネも特徴的で、この画面はいろいろと切り換えが可能だ。

特筆されるのはドライブパイロットと呼ぶ自動運転につながる運転支援装備や安全装備など、各種の先進装備がふんだんに盛り込まれていることだ。それらは短い試乗時間ではとても試しきれなかったし、安全装備などは実際に試せないものもいろいろある。

これまでのレーダー・セーフティ・パッケージで採用してきた各種のセンサーでクルマの周囲しっかり監視し、周囲に存在するリスクからクルマや乗員を守る機能がいろいろと搭載されている。

各種の先進装備の中身を詳述する余裕はないが、新型Eクラスに搭載される豊富な先進装備はほかのクルマの追従を許すものではなく、同時に将来の完全な自動運転に向けたダイムラーの意志を明確に示すものといえる。

今回試乗したのは「E200アバンギャルドスポーツ」で、ベースグレードのE200アバンギャルドに19インチタイヤなどを装着した仕様だ。135kW/300Nmの動力性能は必要十分なもので、1700kgとちょっと重い車両重量を感じさせないような走りを示す。

驚かされたのは乗り心地の良さだ。19インチの大径タイヤということで、乗る前にはちょっと不安も感じていた。先のCクラスが余りにも乗り心地が硬くて閉口させられた覚えがあるからだ。

ところが最初にベルジャンロードのような石畳の道を走り始めるとすぐに、Eクラスの足回りのデキの良さが分かった。快適な乗り心地と遮断されたロードノイズは、正しくラグジュアリーセダンにふさわしいものだった。

その後の試乗で、路面にマンホールのふたが出っ張っているようなシーンでは、ややきつめの突き上げを感じたので、無条件で全面的に良しとはできないが、今回のEクラス足回りも秀逸である。

試乗したE200アバンギャルドスポーツの価格は727万円の設定だ。装備や仕様、クルマの中身を考えたら決して高い買い物ではないが、絶対的には安いクルマではない。だれにでも手の届くクルマではないからだ。

新型Eクラスがとても良くできたクルマであっただけに、すべての人を幸せにできるような、手の届くメルセデスベンツは作れないものか、心からそう思った。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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