【SUPER GT 第7戦】タイ遠征戦、ヨコハマ装着レクサスRC Fの関口雄飛&国本雄資がポール獲得

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GT500クラスのポールポジションを獲得した#19 RC F 。
GT500クラスのポールポジションを獲得した#19 RC F 。 全 16 枚 拡大写真

8日、SUPER GT第7戦の公式予選がチャン国際サーキット(タイ国)で行なわれ、関口雄飛&国本雄資のヨコハマタイヤ装着レクサスRC FがGT500クラスのポールポジションを獲得した。GT300クラスの予選トップはVivaC 86 MCの土屋武士&松井孝允。

SUPER GTのタイ遠征は今年で3年目。昨年は6月だったが、今年は初年度と同じ時期に戻っての開催となった。名称的には今季全8戦中の第7戦。しかし九州オートポリス戦の地震による中止~代替開催等の関係で、実質的な位置付けは6戦目である。

6戦目まではウエイトハンデが獲得ドライバーズポイントの2倍(kg)なので、いわゆる“シーズン最大ハンデレース”ということにもなる今回は、タイの暑さを含めて相当にタフなコンディションが予想されるところだった。だが、2段階ノックアウト予選実施時の温度条件はタイにしては低めの推移となる(気温30度前後、路温もほぼ30度台。路面ドライ)。

15台がエントリーするGT500クラスで存在感を発揮したのは、#19 WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛&国本雄資/タイヤはヨコハマ=YH)。近走、充実の度合いを高めているムードが強かった#19 RC Fが、その力をタイの予選日に見事に証明してみせた。朝の公式練習で一番時計、そして予選では国本がQ1突破を果たし、バトンを受けた関口がQ2で1分24秒307の新レコードタイムをマーク、接戦を制して今季初ポールを獲得した。

GT500では長いこと少数精鋭陣で戦っているYHだが、今季からはスーパーフォーミュラ(SF)のワンメイクタイヤ供給社ともなっており、そのSFで関口と国本は現在シリーズ1-2位。カテゴリーの性質が違うため、両方でYHを履いて戦っている強みというものがどこまでの有効性をもつかは難しい問題だが、とにかくドライバーふたりの力の充実、そしてSFとGT500の相乗効果的なところもあるだろうYHのタイヤ開発の進化、さらにはチーム力の向上、それらがすべて良い方向に収束してのポール獲得となった。

#19 RC F 関口雄飛のコメント
「公式練習からマシンの調子は良かったのですが、Q1を走った国本選手から『ちょっと(パフォーマンスが)足りない』と報告があったので、路温も下がっていたことからQ2にはセッティングを変更して臨みました。そして国本選手からのインフォメーション通りに走ったら、トップタイムをマークできました。でも重要なのは、明日のレース。公式練習でロング(長距離走行)の確認はできているので、あとは自分たちの走りをして優勝したいですね」

明日の決勝、関口&国本は今季初優勝(YH勢としては今季2勝目)を目指す。

GT500クラス予選2位は、今回がGT500デビュー戦となる19歳の若手、牧野任祐(ただすけ)が乗り組む#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(武藤英紀&牧野/ブリヂストン=BS)。先輩武藤がQ1を突破した後、牧野は上位8台で戦うQ2に臨み、堂々2番手のタイムを記録した。予選3位は#12 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信&J-P.デ.オリベイラ/BS)で、レクサス、ホンダ、日産の3メーカーが上位1~3位を分け合う予選結果となっている。

予選4~6位も3メーカーが1台ずつ。順位は以下の通り。

4位 #8 ARTA NSX CONCEPT-GT(松浦孝亮&野尻智紀/BS)
5位 #46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲&千代勝正/ミシュラン=MI)
6位 #6 WAKO'S 4CR RC F(大嶋和也&A.カルダレッリ/BS)

ポイントリーダーで、今回も前戦に続き上限100kgハンデを積む#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R.クインタレッリ/MI)は予選14位だった。

現地参戦組を含めて26台のエントリーとなったGT300クラスでは、#25 VivaC 86 MC(土屋武士&松井孝允/YH)が今季3回目のポールポジションを獲得。Q2を受け持った松井の走りが特に光った。松井は「公式練習から『調子いいです』としか言いようがないくらいにマシンの調子がいい。(チームで今季)3回目のポールですが、ここまで結果(優勝)が残せていないので、とにかく明日は絶対に勝ちたい。最善の策を取って頑張ります」と決勝に向けて意気込む。

予選2位は今季1勝を挙げている#3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹&J.マーデンボロー/YH)。この2位は実に劇的だった。彼らは惜しくも0.002秒差でQ1落ちを喫した、はずだったのだが、上位車両にコース外走行らしき違反があり、繰り上がっての14位でQ2進出、そこで一気にマーデンボローが2位浮上を成し遂げたのである。

#3 GT-Rと星野にはタイ戦3連覇がかかっているが、幸運を好結果に転換してみせた気鋭マーデンボローの走りによって、偉業達成の可能性を決勝につなげることができた。今季初優勝を目指す#25 VivaC 86 MCとの優勝争いが楽しみだ。

GT300クラスの予選3~6位は以下の通り。優勝の可能性を有するマシンは2列目以降にも目白押しといえるだろう。

3位 #0 GAINER TANAX GT-R(A.クート&富田竜一郎/ダンロップ=DL)
4位 #18 UPGARAGE BANDOH 86(中山友貴&山田真之亮/YH)
5位 #55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一&小林崇志/BS)
6位 #88 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学&平峰一貴/YH)

11月のツインリンクもてぎ最終連戦(第3&8戦)に向け、両クラスのシリーズタイトル争いはタイ遠征を経てどのような様相に変わるのだろうか。66周、約300kmのタイ大会決勝レースは、現地時間で明日(9日)の午後3時(日本時間午後5時)に開戦予定だ。

《遠藤俊幸》

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