クルーズトレイン『四季島』専用車、お召列車からの「変更」だった

鉄道 企業動向
常磐線を走る『四季島』E001形の試運転列車。来年5月から営業運転が始まる。
常磐線を走る『四季島』E001形の試運転列車。来年5月から営業運転が始まる。 全 4 枚 拡大写真

JR東日本が豪華寝台列車(クルーズトレイン)『TRAIN SUITE 四季島』の専用車両として開発した「E001」形は、お召列車で運用されている「E655」系電車の設計を変更する形で計画をまとめていたことが、このほど分かった。

E001形は、『四季島』専用車両として10両編成1本が製作された電車・気動車。2017年5月から営業運行を開始する予定で、今年9月から試運転が行われている。運転台付き展望車と寝台車、ラウンジカー、ダイニングカーで構成され、1~3・8~10号車に三相かご形誘導モーター、1・10号車に直噴式12気筒V型ディーゼルエンジン、2・3・8・9号車に集電装置(パンタグラフ)を搭載している。

電化区間では架線から供給された電気でモーターを回し、非電化区間ではディーゼルエンジンで発電した電気をモーターに送って走る。架線電圧はJR在来線の直流1500Vと交流2万V/50・60Hz、新幹線の交流2万5000V/50Hzに対応。運転保安装置もJR在来線の自動列車停止装置(ATS-Pなど)や、北海道新幹線に導入されている自動列車制御装置(DS-ATCなど)を搭載しており、青函トンネルで北海道新幹線と線路を共用している在来線(海峡線)を走って北海道に乗り入れることができる。

編集部は、今年7月までに作成されたE001形の関係文書を独自に入手。それによると、「本形式(E001形)は、E655系からの変更とし、一般、走行装置等、ブレーキ装置等、運転保安設備に係る事項が変更となる」などとしている。E001形10両各車の変更元となる車両は、以下の通り。

E001-1・10(1・10号車):クモロE654-100D
E001-2・3・8・9(2・3・8・9号車):モロE655-100E
E001-4~7(4~7号車):モロE654-100B

別の鉄道会社の関係者や国土交通省などによると、新型車両を導入する際の法手続きでは、従来車の設計を変更する形で「車両構造装置変更」の申請を行うことが珍しくないという。

E655系は、2007年に6両編成1本のみ製作された、JR東日本の特急形電車。「和(なごみ)」という愛称が付けられている。お召列車で運用されてきた皇室用客車(1号編成)の置換えを目的に製作され、天皇・皇后両陛下がお乗りになる特別車1両と、ハイグレード車(グリーン車)5両で構成される。1号編成はお召列車専用だったが、E655系は一般の列車での使用も考慮しており、特別車を外した5両編成で団体列車に使われることがある。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  3. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  4. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  5. トヨタ RAV4 新型、PHEVのEV航続は150km
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
ランキングをもっと見る