宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、実験用航空機「飛翔」のフラップと主脚に低騒音化デバイスを取り付け、機体騒音低減技術の飛行実証試験を実施した結果、騒音低減効果が認められ、特にフラップは設計で想定していた騒音低減効果を確認したと発表した。
フラップなどの高揚力装置の騒音低減は、揚力への影響と改造の複雑さから世界的にも飛行実証をした事例はなかった。今回、フラップの騒音低減効果について世界に先駆けて実証した。
今回実施した試験は、予備実証試験として初期段階の低騒音化技術を検証するとともに、機体改造や飛行許可などを含む飛行実証試験のプロセス確立を目的としており、低騒音化技術の検証、実証試験プロセスの確立ができたとしている。
JAXAでは、今回の結果を踏まえて、共同研究パートナーである川崎重工業航空宇宙カンパニー、住友精密工業、三菱航空機とも連携のうえで研究開発を推進する。次年度以降に「飛翔」、旅客機を用いた機体騒音低減技術の飛行実証を行い、機体騒音低減技術の確立に向けて取り組むとしている。