【技能五輪16】現場で仕上げ、個性に応える建築大工部門…大学生が金メダルに

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山形市・天童市・寒河江市・山辺町の各会場で行われた技能五輪全国大会(10月21~24日) 「建築大工」競技のようす
山形市・天童市・寒河江市・山辺町の各会場で行われた技能五輪全国大会(10月21~24日) 「建築大工」競技のようす 全 60 枚 拡大写真

技能士のW杯、WorldSkills International アブダビ大会(2017年10月開催)への日本代表選考会「技能五輪全国大会」(山形 10月22・23日)。鉄道や船舶などの空間にもその技術が入り込む「建築大工」部門では、ものつくり大学 森脇康太氏が金メダルを獲得した [写真60枚]。

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第54回技能五輪全国大会は、全国の若手技能者たち1330人が、金属系5種、電子技術系4、機械系8、情報通信系3、建設・建築系10、サービス・ファッション系11の41種の部門で自分の腕を競い合う国内最大級の技術競技。各種目のトップ成績選手らは、2017年10月、アラブ首長国連邦・アブダビで開催される国際大会に日本代表選手として参戦する。

18~23歳の女性7人も参戦した「建築大工」部門では、銀メダルに、ものつくり大 手島脩兵氏、杢創舎 内記徹長氏、ポラスハウジング大崎則治氏。銅メダルに、住友林業建築技術専門校 齋藤志穏氏、大富建設 斎藤陸氏、職業能力開発短期大学校 浅見拳太氏。敢闘賞に、ポラスハウジング田中凱氏・藤島侃士氏、諸橋建築 大橋力丈氏、 前橋建築倶楽部 林亮太氏、城北住建 高橋康広氏、埼玉土建 成川弘将氏、住友林業建築技術専門校 加藤遼氏・ 起原玲氏、田中工匠 田村航平氏、ものつくり大学 本多諒平氏、近江建設 横野将大氏、大沼建築 三浦桜氏。女性ひとりが敢闘賞に入賞した。

寒河江市市民体育館の会場には、シューッ、シューッというカンナを引く音が響き渡る。同部門の課題は、課題図に示された複雑な形状の木造小屋組を製作し、その技術・技能、完成度を評価するというもの。現寸図から、部材の木削り、墨付け、加工仕上げ、組立ての順で2日間で仕上げるが、そのなかでも最初の「出発点となる現寸図を速く正確に描けることが最も重要」という。さらに、木削りの早さ・美しさ、正確な墨付け、加工能力なども問われる。カンナの刃をそろえ、見事な木削りを見せ、黙々と部材と対峙し、ノコやノギスをあてる10代女性の姿に、観戦していた熟練工は「ベテランも唸らせるほど、腰が据わってる」とこぼしていた。

愛車経歴にトヨタ『スープラ』(A80型)などを持ち、「F1観戦も大好き」という小林保博氏(ポラスハウジング協同組合スペシャリスト)は、自社選手3人が入賞したことを受け、こう振り返った。

「ウチは建築界でもフェラーリのような集団。シャシーからエンジンまで全部自前というフェラーリと同じく、外注や機械に頼らない。この大会に向けた3か月のトレーニングで、スキルのほか、体調管理や道具のメンテナンス、仕事の姿勢なども体得させる。こうした“レースの世界”で、建築界のアスリートを育成するようなイメージで、教えるというよりもコーチング。参加する彼らも自主トレなどに積極的に取り組むようになった」

鉄道車両やクルーズ船などの居住空間に木材を採用する例も少なくない。こうしたシーンで、「現場で仕上げ、個性に応えるために、これからも手加工の技能は不可欠」と話すのは、職業能力開発総合大学校の前川秀幸主査。

「近年、木造建築の構造材の加工は、工場でのプレカットが増えているが、現場での仕上げ調整など、手加工の技能は不可欠。特殊な形の屋根などは、工場では対応できない。昨今、より個性的な住宅建築への需要も顕著で、この『建築大工』という職種の技術や技能はこれからもますます必要とされるだろう」

北海道から沖縄まで、全国各地の若手技能者たち86人のエントリーがあった「建築大工」部門。その金メダリスト、銀メダリストは20~21歳だった。

《レスポンス編集部》

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