【スーパーフォーミュラ 最終戦】逆転連覇に向け、石浦宏明がダブルポール獲得

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予選でダブルポールを獲得した#1 石浦宏明。
予選でダブルポールを獲得した#1 石浦宏明。 全 16 枚 拡大写真

29日、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)最終戦の公式予選が鈴鹿サーキットで行なわれ、逆転連覇を目指す石浦宏明が2レース制で実施される決勝のポールポジション独占を果たした。ポイントリーダーの関口雄飛は2レースとも予選13位。

コントロールタイヤがヨコハマに切りかわった初年度、その特性を限られた走行機会で完全につかみきることは難しく、例年の混戦状態に一層の拍車がかかったままシーズンはここまで進んできた。12人にチャンピオン獲得の可能性が残る最終戦、乱世を制するのは誰か。鈴鹿は最高の緊張感に包まれた状況で14時20分、予選開始時刻を迎える(サポートレースの影響で5分遅れ)。路面コンディションはドライだ。

予選はQ1~Q3の3段階ノックアウト方式。全19台参加のQ1の結果がレース1の予選順位、Q3までを総合した結果がレース2の予選順位となる。

そして各々のポールポジションに貴重なドライバーズポイント「1」が付与されるため、この1+1点の行き先次第でタイトル候補の数も決勝日を前に変化することとなり、予選前の段階で6人いる自力タイトル獲得圏内の候補者数も動く可能性がある。

その予選で力を見せつけたのが、前年チャンピオンである#1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)だった。Q1で1分37秒453をマークして後続にコンマ3秒以上の差をつけてレース1のポールと1点を獲得すると、Q2も僚友#2 国本雄資に次ぐ2位で通過。そしてQ3では1分37秒026のタイムで、来季F1レギュラーとなる#41 S.バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)を0.005秒差に退けて連続ポール、もう1点をゲットした。

自力王座獲得圏内ながら、ポイントリーダーの#20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)に対しては予選前の段階で9点ビハインドだった#1 石浦。これで7点差に迫り、自力圏内を維持して、しかも明日は両レースとも勝利最短距離からスタートすることとなった。

#1 石浦宏明のコメント
「予選で2点を獲るということを目標にしてきたので、ホッとしています。前戦のSUGOが(最近にないくらい)わるい内容のレースだったので、ここ(が原因)じゃないか、というところをチームに見直してもらったりして、準備をしてきました。国本ともデータを共有していますし、チームの力として(今回)ここまで2台揃っていい勝負ができているんだと思います」

#1 石浦が連続ポールなら、目下ランク2位の#2 国本もレース1が予選2位、レース2が予選3位と好調。ランク首位の#20 関口が両レースとも予選13位に沈んだ今、王座争いはにわかにセルモインギング同門争いの様相が強まってきた。

#2 国本も初王座への意欲は高い。「自分も予選ではベストの走りができたと思いますが、それ以上に石浦さんが速かった。なんでかな、という感じですが、明日に向けてしっかり準備したいと思います。今夜は石浦さんにたくさんお酒を飲ませて」と、笑いを誘うコメントを発しつつも、このチャンスにかける気合いは相当なものだと感じられる。

予選を終えた段階で、#10 塚越広大と#64 中嶋大祐の王座獲得の可能性が消え、決勝日に権利を残したのは以下の10人となった(手元計算)。

■ドライバーズポイント獲得状況(最終戦予選終了時点)
28点 #20 関口雄飛(インパル)T
23.5点 #2 国本雄資(セルモインギング)T
22点 #36 A.ロッテラー(トムス)T
21点 #1 石浦宏明(セルモインギング)T
20点 #37 中嶋一貴(トムス)T
19点 #41 S.バンドーン(ダンディライアン)H
15.5点 #16 山本尚貴(無限)H
12.5点 #19 J-P. デ. オリベイラ(インパル)T
12点 #40 野尻智紀(ダンディライアン)H
12点 #3 J. ロシター(KONDO)T
*T=トヨタ、H=ホンダ

最終戦ボーナスを含む今回の決勝各レースでの入賞ポイントは、1~8位に8/4/3/2.5/2/1.5/1/0.5点。よって決勝日には2レースで最大16点獲得できる。ただし、2連勝すれば自力で王座を獲得できるのは首位と8点差の圏内ということになるため、#41 バンドーンからはこの時点で自力逆転の可能性が消えている。

続いて、ポイント上位5人(自力圏内)のレース1、レース2の予選順位は以下の通り。

#20 関口雄飛 レース1:予選13位/レース2:予選13位
#2 国本雄資 レース1:予選2位/レース2:予選3位
#36 ロッテラー レース1:予選4位/レース2:予選5位
#1 石浦宏明 レース1:予選1位/レース2:予選1位
#37 中嶋一貴 レース1:予選6位/レース2:予選6位

セルモインギング勢有利ではあるが、トムスのふたり、#36 ロッテラーと#37 一貴も予選位置的にスタート次第でチャンスはありそうだ。

苦しくなったのは“予選ダブル13位”だったポイントリーダーの#20 関口。19周=約110km“行ったきり”のレース1で彼が得点するのは相当に難しそうだ。だが、35周=約200kmのレース2には4輪タイヤ交換義務(ドライ用タイヤでのスタート時)もあるため、戦略を機能させての浮上も不可能ではない。そして他の4人が2レースとも上位に揃うだけに、そちらで何かが起こるような可能性もなくはないといえよう。とにかく関口はレース2で大幅な順位アップを成し遂げ、あとは他の結果待ち。まだ、彼のルーキー王者の望みは決して消えていない。

決勝日の明日(30日)は、9時45分にレース1、14時45分にレース2のフォーメーションラップがスタート予定。チャンピオンシップ最終局面がどう推移するのか、目の離せない一日となる。

《遠藤俊幸》

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