アルカンターラCEOが語るメイド・イン・イタリアの価値

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アンドレア・ボラーニョ 会長兼CEO
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スエード調人造皮革のブランドとして知られるアルカンターラ。これを手がけるアルカンターラ社の会長兼CEOが10月中旬に来日し、帝国ホテル東京でビジネスアプローチや戦略についての記者会見をおこなった。

会見はアルカンターラ会長兼CEOのアンドレア・ボラーニョ氏が登壇。まずアルカンターラは登録商標であること、ミラノを本拠地とし、イタリア国内でR&Dと生産をおこなっていること、同社は2009年にカーボンニュートラルの認証を受けていることなどを紹介。

そしてアルカンターラは東レによって開発された素材から独自の進化を遂げた製品となり「ハイエンド市場の一流ブランドに信頼され、ライフスタイルのパートナーという位置づけになっている」、「クールでモダン、かつサスティナブルなものを心から楽しみたいという現代的なライフスタイルを表現するものになっている」と説明。

その後、近年の業績について触れた。2008年のリーマンショック後は順調に成長を続け、地域別の売上比率はイタリアが9パーセント、イタリアを除くヨーロッパ51パーセント、アメリカ12パーセント、アジアと新興諸国27パーセント、その他が1パーセントになっているという。このなかで特に高い伸びを見せているのがアメリカと中国で、これは自動車産業における伸びが著しいことによるものだとボラーニョ氏。

同社が現在、世界中でブランド認知度を高めることに全力を注いでいるという。「ヨーロッパではすでにブランドを確立しています。現在重点を置いているのはアメリカ、そしてアジアです」とのことだ。また「メイド・イン・イタリア」であることは、とくにアジアや米国で強力な価値として認識され、日本や中国で大きな影響力を持っているという。

同社における「メイド・イン・イタリア」の意味は、ハイテクな製造プロセスと職人の技を融合させる独自の能力のことだと位置づけ、また「終わりなき研究とイノベーションに基づいている」ということを意味するのだという。「ヨーロッパの繊維産業で最大級のR&Dセンターをイタリア国内に置き、素材に関する特殊な加工や仕上げについては、イタリアの中小企業のネットワークと協力し、推進しています」とボラーニョ氏は説明する。

またデザイン界との連携が進化の源泉だとボラーニョ氏。「長年、トップデザイナーから前衛的な新進デザイナーまで、デザイン界の優秀な人材ときわめて実りある関係を築き上げてきました。デザイナーには、アルカンターラは強力な着想の源だと認識していただいています」という。

国際的なアーティストやデザイナーたちが、自分たちの創造性を表現する手段としてアルカンターラを使ってきた事実に基づき「彼らから新しいアイデアを教わることもあり、互いに刺激を与え合うプロセスを通して、最終的な仕上げ加工のプロセスが改善されてきました」とのことで、こうした活動は同社の競争戦略に欠かせないものとなっているとのこと。

また会見では、アルカンターラの採用例がファッション、インテリア、自動車や船舶、航空機といったトランスポーテーションの内装、そして電化製品と多くの業種にわたっていることも紹介。「高いカスタマイズ性が、アルカンターラの独自性をあらわしています」とのことだ。

《古庄 速人》

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