当時のまま現存するヤマハの名機…1981-90年、レーサーなど[写真蔵]

モーターサイクル エンタメ・イベント
FZR750[0W74](1985年)
FZR750[0W74](1985年) 全 52 枚 拡大写真

ヤマハ発動機は11月5日、静岡県袋井市にある同社のテストコースにおいて、「歴史車輌デモ走行見学会2016」を開催した。イベントに展示された車両やその走行シーンを写真で紹介する。[写真52枚]

ヤマハは、かつて製作した歴代モデルを動態保存している。普段は本社(磐田市)内にある企業ミュージアム「ヤマハ コミュニケーションプラザ」で見ることができるが、その走行シーンや音も体感できるのは今回ならでは。日本のモーターサイクルシーンを築いてきた名車たちに、当時の思い出を重ねる来場者も多かった。

【掲載車両】
・BELUGA[CV50E](1981年)…排気量49cc、3.8ps。二輪と四輪を使い分ける「六輪時代」を提唱。余裕のある独自のステップスルー形状など男性の使いやすさを考慮。

・XJ750E(1981年)…排気量748cc、70ps。欧米でヒットしたXJ650に日本の規制に合わせた750ccエンジンを搭載。国内4気筒エンジン随一のスリムなエンジン幅も特徴。

・XZ400(1982年)…排気量398cc、45ps。並列4気筒エンジンが周流の中にVツインエンジンを搭載して登場。バックボーンフレームの採用など独自のメカニズムも追求。

・Popgal[MS50E](1982年)…排気量49cc、3ps。増加した女性ユーザーのためにファッション性を追求し、セルスターターやシャフトドライブの採用など高い使い勝手も考慮。

・Venture Royale[XVZ12TD](1982年)…排気量1198cc、90ps。当時ヤマハ最大排気量を誇るV4エンジンを搭載。アメリカ市場向けに開発された大型ツアラー。

・Tracy[CZ125](1983年)…123cc、16ps。高出力エンジンや前後重量配分が最適化された車体など、スクーターその高いスポーツ性能が目立った。

・RZ250R(1983年)…排気量247cc、43ps。RZ250の後継として登場。市販モデル初の可変排気バルブ「YPVS」の採用やクラス最高馬力のエンジンなどスポーツ性をさらに昇華。

・FZ400R(1984年)…排気量399cc、59ps。当時ブームとなっていたレーサーレプリカ市場に初参入したモデル。レーサーさながらのスタイリングやクラス最高馬力のエンジンなどが人気を呼ぶ。

・RZV500R(1984年)…排気量499cc、64ps。ヤマハファクトリーレーサーのYZR500のイメージを再現したレプリカ。V4エンジンの前後シリンダーで異なる給気方式を採用するなど独自の技術もふんだんに盛り込まれた。

・DT200R(1984年)…排気量195cc、30ps。125ccクラスのコンパクトボディに、YPVSを採用した高出力エンジン搭載し、オーフロードファンの爆発的な拡大に寄与。

・SRX600(1985年)…排気量608cc、42ps。軽量・スリム・コンパクトな車体にビッグシングルエンジンを搭載した随一の個性を持ったスポーツバイク。

・SERROW225[XT225](1985年)…排気量225cc、20ps。フレンドリーさや走破性の高さ、その楽しさにファンを増やして人気車種になり、現在もセロー250として販売されるロングセラー。初心者からベテランまで幅広く支持されている。

・SDR(1987年)…排気量195cc、34ps。シンプルな車体構成で高いスポーツ性を持つが、メッキパーツとトラスフレームなど見た目が美しいのも特徴。

・BW’S[CW50](1988年)…排気量49cc、6ps。オフロード走行の機能を持つスクーター。そのユニークなスタイルが好評となり、若者を中心に多くのファンを生んだ。

・R1-Z(1990年)…排気量249cc、45ps。トラスフレームや2本出しマフラーなど独特のスタイルを持つ。2ストロークモデルが消えていく中、10年以上販売が継続した。

・VMAX(1990年)…排気量1197cc、97ps。1985年にアメリカで発売され爆発的な人気を獲得し、1990年にようやく国内モデルが発売。そのマッスルなスタイルは現在にも多くのファンを持つ。

<以下レーサー>

TY250 Competition Spec(1973年)…排気量246cc、16.5ps。1973年11月開催の第1回全日本トライアルで初代チャンピオンとなった木村治男氏が実際に使用したマシン。

YZ250(1974年)…排気量246cc、34ps。1973年の世界選手権と全日本選手権モトクロスシリーズを制したYZM250[0W12]の市販バージョン。

・YZM500[0W83](1988年)…排気量498cc、60ps。モトクロス500cc用のファクトリーマシン。1987年型を熟成させたが、1988年をもって500ccクラスの活動を休止したため、これが最後の500ccファクトリーモトクロッサーとなった。

・YZ125M(1987年)…排気量123cc、34.5ps。市販モトクロッサーYZ125のファクトリーマシン。前後サス、前後ディスクブレーキ、吸排気系などにスペシャルチューニングを施し、ヤマハ初の世界選手権125ccタイトルを獲得。

・YDS-1 Asama Spec(1959年)…排気量246cc、25ps。YDS-1をベースに製作されたクラブマンレーサーの浅間火山レース仕様。第3回浅間火山レースと併催された大買い全日本モーターサイクルクラブマンレースでデビューし、日本各地のアマチュアレースで活躍。

・RD56(1965年)…排気量249cc、50ps。1962年の第1回全日本選手権でデビューし、翌年から海外レースでも活躍。1963年~1965年の世界GPでは通算15勝を記録。

・RA97(1966年)…排気量124cc、32ps。1964年のオランダGPでデビューし、翌年は水冷エンジンを搭載してマン島TTレースに出場し初優勝を獲得。

・RD05A(1968年)…排気量249cc、73ps。1967年にGP250クラスにデビュー。同年は6賞を挙げ、1968年にはメーカー、ライダーの両タイトルを獲得。

・RF302(1969年)…排気量50cc、17ps。50ccながら水冷2スト単気筒エンジン、6速ミッションを備え、最高速度は170km/h以上に達した。しかし、ファクトリーチームの世界GP撤退により日の目を見ることはなかった。

・YZR500[0W20](1974年)…排気量494cc、80ps。ヤマハ発のGP500ファクトリーマシン。エンジンはTD-3の2気筒エンジンをつなぎ合わせて開発された2スト水冷4気筒。1973年の開幕戦フランスGPでデビューウィンを飾る。この展示車両はモノサスを採用した1974年モデル。

・YZR500[0W35K](1978年)…排気量499cc、105ps。可変排気バルブ機構YPVS機構を初採用し劇的にラップタイムを短縮。デビューは1977年。1978年には11戦中4勝を記録。

・YZR750[0W31](1978年)…排気量748cc、115ps。フォーミュラー750に参戦したマシン。YZR500をベースに7ポートピストンリードバルブ吸気を採用した4気筒エンジンを搭載。1966年にデビューし、1987年に同レースの世界選手権タイトル獲得とデイトナ200で優勝。

・FZR750[0W74](1985年)…排気量749cc、130ps。市販のFZ750をベースに開発された耐久レース仕様。同年の鈴鹿8耐ではリタイヤを喫するも、ケニー・ロバーツ氏と平忠彦氏ペアによる圧倒的なパフォーマンスで強烈な印象を残す。

・YZR500[0W81](1985年)…排気量499cc、140ps。新設計の2ストV4エンジンを搭載。世界GPでエディ・ローソン氏とクリスチャン・ロナウド氏が2位と3位を記録。全日本選手権では、平忠彦氏が1983年から1985年まで3連覇を達成したマシン。

《阿部哲也》

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