【スバル インプレッサ 試乗】タイヤサイズで大きな差、手軽さで選ぶなら「L」…青山尚暉

試乗記 国産車
スバル インプレッサ スポーツ 2.0i-L EyeSight
スバル インプレッサ スポーツ 2.0i-L EyeSight 全 16 枚 拡大写真

今回、新型『インプレッサ』公道世界初試乗のチャンスを与えられたのは、名古屋から蒲郡に至る一般道、高速道路、ワインディングロードだった。

始めにステアリングを握ったのは18インチタイヤ、トルクベクタリングを備えた「インプレッサスポーツ2.0i-S EyeSight」。そしてつぎに走らせたのがこの17インチタイヤの「インプレッサスポーツ2.0i-L EyeSight」である。

新型インプレッサのベンチマークはVWの7代目『ゴルフ』。確かにインプレッサスポーツ2.0i-S EyeSightではベンチマークに近づいた日本車らしからぬ完成度を垣間見ることができる。重厚でドシリとした乗り味、ステアリングを切ったときのクルマの滑らかな動きなど、自身でゴルフ7に乗るボクが開発陣からゴルフ7がベンチマークだと聞く以前に「これはゴルフ7に近い部分がある」と思わせてくれたほどだ。

で、乗り換えたインプレッサスポーツ2.0i-L EyeSightだが、同じ2リットル、154psの水平対向エンジンを積む2.0i-S EyeSightの重厚な乗り味とは対照的とも言える“軽さ”が前面に出た爽快感あるドライブフィールの持ち主だった。言い換えれば従来の日本車っぽく扱いやすいフツーなテイストだ。

車重は2.0i-S EyeSightより30kg軽く(2WD/AWD)、JC08モード燃費は2.0i-S EyeSightの16.0km/リットルから17.0km/リットル(2WD)へと向上する。

タイヤは17インチとなり、パワステは軽く、良路での乗り心地はずっとマイルド。しかしきつい段差越えではむしろ18インチタイヤを履く2.0i-S EyeSightより強めの突き上げ感が出る。聞けば基本的な足回りは共通ながら、ダンパーは18インチ用のほうが乗り心地に降ったチューニングが施されているという。

試乗した両車の走りを比べると、動力性能に差はないが、「世界基準の走りを目指した」というスバルのdream come true=“夢をかなえた”実現度、新型インプレッサの完成度、納得度、質感では2.0i-S EyeSightが格段に上回る。当然、ベンチマークたるゴルフ7に近づいているのもそうだ。1インチのタイヤサイズの違いで(この点についてはトルクベクタリングの有無は関係ないはず) ここまで乗り味に差があるのはめずらしい。

2.0i-L EyeSightは、街乗りでも扱いやすいCセグメントの手頃な価格の先進安全装備満載の新型車がほしい…という人向けである。それならそれはそれで満足度は高いだろう。一方、スポーツ度、スバルらしさで選ぶなら2.0i-S EyeSightである。

価格は2.0i-L EyeSightが2WDで216万円。AWDで237万6000円。対する2.0i-S EyeSightは同237万6000円、259万2000円だから、その差は21万6000円と決して小さくはないが、それでもベンチマークとなったゴルフ7のハイライン(2WD/17インチタイヤ)の328万9000円よりちょうど100万円ほど安く手に入るというわけだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
ペットフレンドリー度:★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージングデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がけ、犬との快適・安心自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動も行っている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ムック本「愛犬と乗るクルマ」(交通タイムス社刊)好評発売中。

《青山尚暉》

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