【SUPER GT 最終もてぎ連戦】第8戦決勝GT300…土屋武士&松井孝允のVivaC 86 MCが感動の王座初戴冠

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優勝してチャンピオンも獲得した#25 VivaC 86 MC。
優勝してチャンピオンも獲得した#25 VivaC 86 MC。 全 12 枚 拡大写真

13日にツインリンクもてぎで開催されたSUPER GTの今季最終第8戦、GT300クラスでは土屋武士&松井孝允のVivaC 86 MCが優勝を飾り、同時にシリーズチャンピオン獲得も果たしている。

前日のレースで大きなクラッシュに遭遇した#55 ARTA BMW M6 GT3が出走ならず、GT300クラスは28台のマシンが晴れ・ドライコンディションの決勝レースに臨んだ。

予選6位の#25 VivaC 86 MC(土屋武士&松井孝允/ヨコハマ=YH)は、決勝グリッド上で他陣営にタイヤ無交換作戦が多いことを察知し、急遽自分たちもその方向に作戦を変えたという。そのための(タイヤをもたすための)タイヤ内圧調整の影響もあって、土屋がドライブしたレース前半は順位を下げる傾向の戦いぶりとなったが、早めにピットストップをこなし、やがて他車のストップも終わると#25は2番手に浮上。

さらに、ポール発進からトップを走る#31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀&中山雄一/ブリヂストン=BS)に迫ると、#25 松井は34周目にこれをコース上でオーバーテイク。2位でも自力王座、#31 プリウスが優勝なら4位でもいい#25だったが、「チャンピオンのこともあるけど、今回勝ちたいという思いが強かった」という松井が攻めの気持ちを貫いて、見事なパッシングを見せた。そして優勝、今季2勝目でチャンピオン獲得に自ら花を添えた。

#25 VivaC 86 MCの「MC」はマザーシャシーを意味し、昨季からGT300クラスに本格導入されたもの。これを使ってチームがマシンメイクして競うというかたちでの、日本レース界のものづくり継承振興の意味も込めたシリーズ側の構想だったが、それにいち早く取り組み、速さを磨いてきたのが、ドライバー兼メインエンジニアである土屋を中心とした#25陣営だ。

チーム監督は土屋武士の父で、日本レース界にこの人ありと言われた伝説的ベテランエンジニアの春雄氏。武士にとっては、名門プライベーター“つちやエンジニアリング”を父とともに再興しつつ、自らが育てたドライバーでもある松井とともに得た、実に意義深い栄冠である。

武士はGT500やフォーミュラ・ニッポン(現スーパーフォーミュラ)でも上位戦線で戦った実績があるが、メジャータイトル獲得は今回が初(松井も初。VivaC team TSUCHIYAはチーム部門タイトルも獲得)。武士は今季でGT300のレギュラードライバーからは退く意向も表明しているだけに、最高の終幕ともなった。

土屋武士のコメント
「この状況を受け止めきれていないですね。こういうストーリーが実際の出来事として起きてしまうと……。感慨深いです。タイヤ無交換ができたのは、オフからヨコハマと一緒に開発してきたタイヤがあったからです。タカミツ(松井)の成長とタイヤ、この2つがタイトル獲得の大きな要因ですね。僕たちのチームは(スポンサーというよりも)仲間に支えてもらっているチーム。ここまで支えてきてくれた仲間のみんなに感謝しています」

松井も「このチームでチャンピオンを獲ることができて、本当に嬉しいです」と、達成感際立つ王座獲得であった喜びを語っている。自動車メーカーが激突するGT500とは異なる、GT300ならではの良さが凝縮されたような、様々な意味で感動を呼ぶ戴冠劇であった。

最終戦の決勝2位は#31 プリウス。3~6位は以下の通り。

3位 #4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝&片岡龍也/YH)
4位 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(R. ライアン&藤井誠暢/DL)
5位 #33 Excellence Porsche(山野直也&J. ベルグマイスター/YH)
6位 #3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹&J. マーデンボロー/YH)

来季のSUPER GTシリーズは4月8~9日に岡山国際サーキットで開幕する予定。GT300クラスに関してはさらなるエントリー増という話もあり、多彩な戦国絵巻の様相に一層の拍車がかかるかもしれない。

《遠藤俊幸》

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