【WEC 最終戦】アウディ1-2圧勝で有終の美…トヨタ可夢偉組は王座届かず、ポルシェ2冠達成

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優勝を飾った#8 アウディの(左から)ジャービス、ディ・グラッシ、デュバル。
優勝を飾った#8 アウディの(左から)ジャービス、ディ・グラッシ、デュバル。 全 12 枚 拡大写真

世界耐久選手権(WEC)最終第9戦バーレーン6時間レースの決勝が現地19日に実施され、LMP1-Hクラスでは今季限りで撤退するアウディが1-2フィニッシュ。小林可夢偉組トヨタ6号車の逆転ドライバーズタイトル奪取はならず、ポルシェ2号車のクルーが同タイトルを獲得した。

アウディにとって最後のレース、2台のR18はライバルであるポルシェ919、トヨタTS050を圧倒する速さを発揮し、レースを完全に支配していく。今季は革新的マシン投入ゆえか、トラブルが少なくはない印象だったアウディだが、今回の強さはまさに全盛時のそれが甦ったかのようであった。

そして#8(L.ディ・グラッシ & L.デュバル & O.ジャービス)、#7(M.ファスラー & A.ロッテラー & B.トレルイエ)の順でアウディは1-2フィニッシュ、自らの花道を飾った。アウディの勝利は第2戦での#8以来で、今季2勝目。3位以降を1分以上引き離す圧勝だった。

マニュファクチャラーズタイトル(メーカー王座)は前戦でポルシェの獲得が決定済みだったが、ドライバーズタイトルの方は決着がこの最終戦に持ち越されていた。予選終了時点でポイント首位の#2 ポルシェ(R.デュマ & N.ジャニ & M.リーブ)が152点、追う#6 トヨタ(S.サラザン & M.コンウェイ & 小林可夢偉)が135点。

可夢偉組の逆転戴冠条件はかなり厳しく、最低限自身2位が必要だった。そのレースがアウディ1-2圧勝の展開となってしまってはどうにもならない。トヨタ勢は最終戦を#5(A.デビッドソン & S.ブエミ & 中嶋一貴)が4位、#6が5位という結果で終えることとなり、可夢偉組は王座に届かず、最終的なドライバーズランクでは3位に後退した(同2位は#8 アウディのクルー)。

#6 トヨタ 小林可夢偉のコメント
「最後のレースを勝利で飾ったアウディと、タイトルを獲得したポルシェ2号車のクルーたちに祝福を送りたいと思います。我々はシーズンを通して彼らと素晴らしい戦いを繰り広げてきましたが、残念ながら最終戦の今日は我々の速さが及びませんでした。5位フィニッシュというのはやや残念なシーズン終幕であり、充分な実力を発揮することができませんでした。来年、さらに強くなって戻って来ます」

ポイント首位の#2 ポルシェには、レース序盤にGTカテゴリーのマシンとの接触に起因すると見られるタイヤ&カウル破損で緊急ピットイン、他のLMP1-Hマシンに対し早々に周回遅れとなるアクシデントもあった。だがタイトル争いの大勢には影響せず、アウディの好調さにも助けられつつ、もともと濃厚だったドライバーズタイトル獲得が決まることとなった。ポルシェは昨年に続く、メーカー、ドライバーの2冠制覇を達成。#2のクルーはドライバー王座初戴冠。

ポルシェ勢の最終戦の順位は#1(T.ベルンハルト & M.ウェーバー & B.ハートレー)が3位、#2が6位。昨年の王者トリオである#1のドライバーのひとり、元F1レッドブルチームのドライバーでもあったマーク・ウェーバーは表彰台フィニッシュで最後のレースを終え、彼もまた引退の花道を飾っている。

LMGTE-Proクラスでは、今季のGTマニュファクチャラーズカップをフェラーリが獲得。アストンマーティンとの接戦を制しての戴冠だった(GTドライバーズカップはアストンのN.ティーム & M.ソーレンセンが獲得)。

アウディとウェーバーが有終の美を飾るという感動的なフィナーレで、ひとつの節目となるシーズンを終えたWEC。来季2017年も今季同様に全9戦が予定されており、シリーズ最大の山場であるルマン24時間レース(第3戦)は6月17~18日決勝、そして秋恒例の富士スピードウェイ戦(第7戦)は10月15日決勝の日程で開催されることとなっている。

《遠藤俊幸》

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