運輸安全委、長崎電軌脱線事故で急カーブ改良を提言

鉄道 行政
脱線事故後の公会堂前交差点(2015年10月)。ここでは2007年から今年6月にかけて計4回の脱線事故が発生している。
脱線事故後の公会堂前交差点(2015年10月)。ここでは2007年から今年6月にかけて計4回の脱線事故が発生している。 全 1 枚 拡大写真

2015年10月に長崎市内で発生した路面電車脱線事故について、事故を調査していた運輸安全委員会は11月24日、複数の要因が重なって脱線した可能性が高いとした調査報告書を公表した。

安全委の報告書によると、事故は2015年10月11日の21時29分頃に発生。長崎電気軌道の赤迫行き電車1両(370形電車375号)が公会堂前交差点の分岐器(ポイント)を通過中、後方の台車2軸が進行方向左側に脱線して停止した。死傷者はいなかった。

脱線した電車は長崎電軌が指導していた速度を3km/h上回る13km/hで走行していた。また、脱線した地点は半径20mという急カーブで、走行用のレールと脱線防止用のガードレールが摩耗によりゆがんでいた。これらの要因が複合的に重なって脱線した可能性があるという。

公会堂前交差点は、長崎電軌の蛍茶屋支線・桜町支線の分岐点。ここでは2007年5月に脱線事故が2回発生している。このうち2回目の脱線では、2015年10月と同じ375号が脱線した。

2015年10月の脱線事故では3号系統が全面的に運休となったが、レール交換などの再発防止策を講じ、今年2月に蛍茶屋行きのみ運転を再開。赤迫行きも5月に再開したが、6月に再び赤迫行き電車の脱線事故が発生し、3号系統は現在も赤迫行きの運休が続いている。

報告書は計4回の脱線事故について「脱線原因の詳細はそれぞれ異なっている」としつつ、事故現場が半径20mの急カーブを持つポイント内であることが「事故の発生の背景にあると考えられる」とし、カーブの半径を大きくするように改良することが望ましいなどとしている。

《草町義和》

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