【アバルト 124スパイダー 6AT 試乗】MTと何ら変わらぬ“いい感じ”…島崎七生人

試乗記 輸入車
アバルト124スパイダー・6AT
アバルト124スパイダー・6AT 全 9 枚 拡大写真

直前に『ロードスターRF』の試乗をし、2リットル+AT(MTもある)に好印象を抱いたばかり。となると同じAT同士、コチラは1.4リットルターボとの組み合わせだが、MTのあの“いい感じ”が保たれているかどうか?が最大の関心事だった。

結論から言うと「上手くまとめたな」だった。動力性能はもちろん、ハンドリング、乗り味まで、クルマ全体の“仕立て”が見事にバランスした“気持ちよく走らせていられる124スパイダーの世界観”が、このATでもしっかり表現されているからだ。ダメ出ししなければ…の箇所がないのである。

ATについては、発進、変速も問題ない。通常の走らせかたでも望みの加速が得られるし、変速のタイミングもストレスがない。さらに特性を切り替えるスイッチを長押ししてSPORTを選べば、パワフルさが増強され、息の長い加速が楽しめるし、パドルシフトを使い思いのまま切れのいい変速リズムを楽しむこともできる。ATとの組み合わせでも音、振動ともに心地いいエンジンのキャラクターが味わえ、MT車との車重差(20kg)はまったく意識しなかった。

試乗車は「ローンチエディション」で、ビルシュタイン、ブレンボといった心がくすぐられるアイテムも装着。これらのマッチングもよく、それぞれの長所もしっかりと実感できた。同様にBOSEサウンドシステムも特別装備だが、オープンでは耳元に音を引き寄せ、クローズ状態では眼前に音場を広げるよう自動的に切り替わるシステムなのは『ロードスター』のそれと同じ。ぜひ通常での設定も望みたい。

左右の丸いフェンダーの形やフードのキャラクターが見渡せるフロントガラス越しの景色もオーセンティックな味わいだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
  3. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  4. “プチカスタム”でサマードライブの楽しさをブーストアップ![特選カーアクセサリー名鑑]
  5. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る