富士経済は、自動車やエレクトロニクス、産業機器、医療機器など様々な分野で採用される汎用エンプラ(エンジニアリングプラスチック)9品目、スーパーエンプラ20品目、機能性樹脂6品目、計35品目の市場を調査・分析し、その結果を報告書「2017年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略」にまとめた。
報告書によると、エンプラ・機能性樹脂世界市場は2015年の1025万トンから2016年には1056万トン(2015年比+3.0%)、2020年には1181万トン(同+15.2%)に拡大すると予測している。
種類別にみると、汎用エンプラは市場をけん引してきた中国の経済成長の伸びが鈍化しているものの、新興国などでの需要を背景に堅調に拡大していくと予測している。
スーパーエンプラは耐熱性などを生かし自動車やエレクトロニクス分野で広く採用されている。自動車の軽量化や電装化、一台あたりの使用量が多いHV、EV、PHVの普及により採用が拡大。今後も自動車の生産台数は増加するとみられ、さらに軽量化や電装化が進むため、市場の拡大が予測される。
機能性樹脂は新興国需要や自動車、エレクトロニクス分野の生産拡大に伴い、市場が拡大している。耐熱ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂)は自動車部品向け、透明ABSは雑貨・一般機器向けで需要が増加。特に中国では中国自動車メーカーを中心に耐熱ABSの需要が拡大、また雑貨、家具、玩具といった製品の生産が多いため、透明ABSの市場規模も大きい。