トヨタ、TNGAによりパワートレイン一新…2021年までに搭載車種拡大

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トヨタの新型パワートレイン、直列4気筒2.5リットル直噴ガソリンエンジン
トヨタの新型パワートレイン、直列4気筒2.5リットル直噴ガソリンエンジン 全 9 枚 拡大写真

トヨタ自動車は、次世代車両技術「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」により、エンジン・トランスミッション・ハイブリッドシステムを一新し、2017年以降、新型パワートレインの搭載車種を一気に拡大していくと発表した。

今回開発した新開発の2.5リットルガソリン車用・ハイブリッド車(HV)用エンジンは、高速燃焼技術、可変制御システムの採用のほか、様々なエネルギーロスを少なくして熱効率を向上させるとともに高出力を両立。それぞれ、世界トップレベルの熱効率40%・41%を達成している。同時に高レスポンス化と全速度域での高トルク化など、多くの新技術の採用。トヨタでは、新型エンジンを「Dynamic Force Engine」と称し、今後もさらに進化させていく。

新型8速・10速ATは、ギヤ歯面の摩擦係数を低くする新たな加工を施してエネルギー伝達ロスを削減し、クラッチ機構内の摩擦材形状を最適化。回転時のクラッチの損失トルクを約50%低減(従来型6速AT比)するなど世界トップレベルの伝達効率を達成した。さらに、ギヤをワイド化するとともに、高性能・小型トルクコンバーターを新開発し、ロックアップ領域を拡大。アクセル操作に素早く、滑らかに反応することで、ダイレクト感あふれる走りを追求した。また、10速ATは段数アップでトータルギヤ数を増やしながら、低中速域を中心に、各段の使用領域を最適化するクロスギヤを採用。FRプレミアム車にふさわしいスムースかつ世界最速レベルのクイックな変速を実現している。

ハイブリッドシステムでは、4代目『プリウス』に採用された小型・軽量・低損失化技術を継承する2.5リットルエンジン用システムを一新するとともに、FR用の高性能マルチステージTHS IIを新開発。マルチステージTHS IIは、ハイブリッド車の走りのイメージを一新する高い発進加速性能とダイレクト感溢れる走りを実現。高速走行時のシステム効率の向上に加え、高車速域でもエンジン間欠運転を可能にすることで高速燃費を向上している。

プラグインハイブリッドシステムも一新。従来のモーター走行に加え、これまで発電機として使用していたモーターを、走行用としても使用するデュアルモードドライブシステムにより、力強いEVモード走行を実現している。また、大容量のリチウムイオン電池の採用により、『プリウスPHV』のEV走行換算距離(EV走行距離)を60km以上と大幅に延ばしている。

トヨタでは2021年までの5年間で、エンジンは、今回開発した2.5リットルガソリンエンジンを含め、9機種・17バリエーション、トランスミッションは、多段化AT、新機構の無段変速機(CVT)など4機種・10バリエーション、ハイブリッドシステムは、6機種・10バリエーションの投入を予定している。

《纐纈敏也@DAYS》

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