どこが変わった? 小田急ロマンスカーのリニューアル車「EXEα」

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2017年3月にデビューする30000形のリニューアル車「EXEα」。外観や客室設備だけでなく走行装置も変更された。
2017年3月にデビューする30000形のリニューアル車「EXEα」。外観や客室設備だけでなく走行装置も変更された。 全 30 枚 拡大写真

このほど報道公開された、小田急電鉄の特急ロマンスカー30000形電車のリニューアル車「EXEα」。2017年2月に試乗会が行われ、3月には通常の営業運転でデビューする予定だ。

リニューアルにより車体の塗装や車内の客室設備は大きく変わったが、走行装置などにも大きな変化があった。

■編成

リニューアル前と同じ6両編成(1~6号車)と4両編成(7~10号車)の組み合わせ。車体はシルバーを基調としたデザインに変わった。各編成の両端には「ROMANCECAR EXEα」のロゴが入れられている。

側面にも「ODAKYU-SUPER EXPRESS・30000」のロゴが入れられたが、「EXEαは『SUPER EXPRESS』ではない」(関係者)として、今後「SUPER EXPRESS」の部分を「EXCELLENT EXPRESS」に変更するという。

モーターとパンタグラフは6両編成の2・3・5号車と、4両編成の8・9号車に搭載。このうち3号車はモーター無しだったが、今回のリニューアルでモーター付きに変わった。このほか、二つある台車のうち一つだけモーター無しだった9号車も、全ての台車がモーター付きになった。

■走行装置

モーターは全密閉式の三相かご形誘導電動機(定格出力150kW)に更新。6両編成と4両編成を連結した場合の編成出力は3000kWになる。制御装置はフルSiC素子を適用した2レベル制御VVVFインバーター制御装置に更新された。これにより省エネルギー化や低騒音化を図っている。

■客室

客室は木目調の内壁を採用。天井の照明は直接照明と間接照明を組み合わせたものに変更し、「気品と落ち着きのある明るい室内空間」を目指した。

座席の肘掛けには、リニューアル前と同様に収納式テーブルが設置されたが、テーブルは大型のものに変更。背もたれの部分には点字を設置する予定で、報道公開時点では点字を取り付けるための金具のみ設置されていた。背面には60000形「MSE」と同様、傘立てが設置された。

このほか、大型の荷物を置くことができる収納スペースをデッキ近くに設置し、訪日外国人観光客の増加に対応する。

■その他

客室やデッキ部には、リアルタイムで確認できる防犯カメラを設置した。また、売店カウンターを撤去して多目的室を設置。授乳時などに利用できるようにした。このほか、和式トイレを廃止し、全てのトイレが温水洗浄便座付き洋式トイレと男子トイレに。ベビーチェアなどを装備した「ゆったりトイレ」も設置された。

小田急は2017年3月4日、JRの全国ダイヤ改正にあわせる形でダイヤの部分的な修正を実施する予定だが、「EXEα」はこれより若干早くデビューする見込みだ。同社運転車両部の野中俊明課長は「『EXE』が1996年3月にデビューしてから20年。出だしの頃はトラブルが多く、何度も一緒に徹夜したことのある愛着のある車両です。それが生まれ変わって感慨深い」などと話していた。

《草町義和》

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