【三菱 アウトランダーPHEV 試乗】コーナリングも得意、見た目以上に軽快に走る…津々見友彦

試乗記 国産車
三菱 アウトランダーPHEV(オプション装着車)
三菱 アウトランダーPHEV(オプション装着車) 全 12 枚 拡大写真

『アウトランダーPHEV』は4気筒、2リットル87kw/118psのエンジン(主として充電用)と2個のモーターと1個の発電機を持つプラグインハイブリッドSUVだ。特徴はEVとして低速から120km/h(平坦路)の高速までモーター走行がメイン。エンジンは70km/h以上では燃費向上効果がある場合のみ一時、アシストしたりエンジン走行もする。自宅などで12kWhのリチウムイオン電池をフル充電(AC200Vなら4時間)するとカタログ値では60.8km走る。現実、約40-50kmの距離なら確実に一滴のガソリンも使わずに走れるのは嬉しい。ちなみにJC08モードのハイブリッド燃費は19.2km/リットルだ。

このクルマの強みは、充電スタンド過疎地やガソリンスタンド過疎地でも安心して走れること。また、4WDは積雪地帯や山間部でも安心だ。モーター駆動なので前後タイヤをきめ細かく瞬時に制御し安定した走りと“AYC”の制御でコーナリングも得意なのだ。

昨年マイナーチェンジされ、ルックスはグッと精悍で魅力的になった。SUVらしく高めのコクピットから見る前方視界は開けて安心。メーターパネルもスッキリとした品の良いデザインで見やすい。

発進はEVらしく静かで快適。大型のSUVながら走りの質感が高い。市街地ではアクセルに敏感に加速。レスポンスが高いのも特徴。モーターならではの低回転からのピックアップの良さで、サイズの大きめのSUVながら軽快に感じる。

最大出力60kw、137Nmと195Nmの最大トルクの前後モーターが約1.8tのボディを引っ張り、0-400m加速の雰囲気は17秒台。超強烈な加速性能ではないが、アクセルの応答が良いので、癖になる気持ちの良い走り味だ。フル加速ではエンジンが充電のために起動するがショックなくスムーズ。またエンジンサウンドも快適だ。ミッションレスのため発進から最高速まで滑らかなつながりの走りが心地好い。

電動パワステもスムーズ。コーナリングもボディ下に抱えた大型リチウムイオン電池が重心を低くし、ロールを小さく、安定感が高い。

セレクターのBモードの他に、ステアリングのパドルでモーターの回生力の強さをコントロール出来る。B0では回生ブレーキなしの空走で走れ運動エネルギーを生かし前に進める。空いた高速道路などでは使いやすいモードだ。B2からB5モードになるに従い強い回生力で減速出来、市街地ではゲーム感覚で楽しい。もっとも、BMW『i3』や『ノートe-POWER』のように回生ブレーキのみで停止は出来ない。

レーダークルーズも装備し、疲れない。EVにありがちなバッテリー切れの不安なしに長距離が走れるのが一番の特徴。停電でいざというときには1500W/100VのAC電源車にもなり、使い勝手の良いSUVだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

津々見 友彦│モータージャーナリスト
第1回日本GPに出場し、その後日産、トヨタ、いすゞのワークスドライバーとして活躍。現在は自動車雑誌、ラジオ、Car Worldなどに試乗記を書く。サーキット走りとパソコン大好き。今は自転車に凝る。

《津々見友彦》

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