試走タイムは注目ですよ…SS王座決定戦直前 鈴木圭一郎選手

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『SG第31回スーパースター王座決定戦』(12月27日~31日)を前に話しを聞かせてくれた鈴木圭一郎選手。
『SG第31回スーパースター王座決定戦』(12月27日~31日)を前に話しを聞かせてくれた鈴木圭一郎選手。 全 15 枚 拡大写真

プロ野球の大谷翔平や藤浪晋太郎、競泳の萩野公介や瀬戸大也、サッカーの浅野拓磨や南野拓実、フィギュアスケートには羽生結弦がいて、高木美帆(スピードスケート)、丹羽孝希(卓球)と、いくらでも名前が挙がる1994年生まれのアスリートたち。

大豊作と呼ばれるこの年代だが、オートレース界にも今年大ブレイクした22歳がいる。鈴木圭一郎だ。10月に勝った全日本選抜(川口)は「SG(スーパーグレード)」という最高峰のレースで、そこでの最年少記録を樹立すると、11月の日本選手権(浜松)でも優勝しSG2連続V。破竹の勢いのまま、年末におこなわれる大一番『SG第31回スーパースター王座決定戦』(12月27日~31日、川口オート)に挑む。

そんな若きホープが「もっと多くの人にオートレースを知ってもらい、観にきてほしい」と願っている。しかし、たとえバイクファンであっても「オートレース場には足を運んだことがない」という人は少なくない。生で観戦したときの迫力はとてつもなく、白熱のレース展開となるのは必須。バイク好きなら楽しめること間違いなしだ。

レースはオーバル(楕円形)コースを左回りでおこなわれ、8車の専用マシンが通常6周する。鈴木選手によると、こうだ。

「トップクラスの選手の間には、ほとんどテクニックの差はありません。相手との駆け引きが勝負を分けることになりまして、たとえばインを抑えられたら、アウトから抜くぞと何度も何度も意識させて、ここぞというときに逆にインに入って交わしたりします。そういった駆け引きも、ぜひ注目してほしいです」(鈴木圭一郎選手)

マシンは自分で整備し、ロードレースやモトクロスのようにメカニックがついているわけではない。いかに良いエンジンに仕上げられるかも大切だという。

「できることは規則で限られていまして、良いタイムが出ているのに、ときにはやり過ぎてしまって台無しにしてしまうこともあるんですよ。先日、勝ったからって、またそのマシンが良いとは限りません。コースや温度・湿度によって違いますし、ベストかどうかは分かりません」(鈴木圭一郎選手)

「いいエンジン、いいマシンっていうのは選手によって様々で、パワーや伸びだけでなく僕はアクセルを戻したときのエンジンフィーリングも大事にしています」(鈴木圭一郎選手)

オートレースの競技車両にはブレーキがない。コーナーの進入でアクセルを戻し、マシンの向きを変えるのだが、そのときのエンジンブレーキが効き過ぎても、効きが弱くても走りづらいのだという。

「そういうのはネジをもう半回転ほど回すかどうかっていうシビアな世界なんですよ」(鈴木圭一郎選手)

エンジンを分解整備しだしたのは、ポケバイでレースをしていた小学2年生の頃からで、4年生のときにはもうクランクケースまでバラバラにしていたという。

「エンジンをひとりで組んでいて分からなくなったら、ここからはどうやるの? って、仕事中のお父さんに携帯で撮った画像をメールして聞いたりしていました。僕のまわりはそういう子ばっかりで、別に珍しくありませんでしたよ」(鈴木圭一郎選手)

ミニバイクレースに参戦していたときも、お父さんにマシンの整備をすべて任せるのではなく、将来オートレーサーになったときに困らないよう自分もメカニックとしての腕を磨いていたという。

「もし、オートレースを観にきたら、試走タイムをチェックしてみてください。そこでマシンの良し悪しや選手のコンディションを知ることができると思います」(鈴木圭一郎選手)

試走タイムがカギを握る。年末のスーパースター王座決定戦も、試走から見逃せない。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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