【マツダ デミオ 試乗】インテリアの上質感は“ベスト・イン・クラス”…島崎七生人

試乗記 国産車
マツダ デミオ XD Touring L Package
マツダ デミオ XD Touring L Package 全 8 枚 拡大写真

「新色です」と推され、実車も見ずに選んだ試乗車だった。“ディープクリムゾンマイカ”と呼ぶ、何とも渋めのボディ色。色調はかなり違うが反射的にユーノス『500』のイメージ色だったメイプルレッドマイカを思い浮かべる。

率直な印象は「せっかくの饒舌なスタイルを潰していないか?」だった。マツダ打ち出し色のソウルレッド…は別にして、ごく個人的な意見だが『デミオ』には淡めの色調のミステリアスな色が似合う気がする。2015年の限定車でも採用した“スモーキーローズマイカ”など。ランチアなどの向こうを張るような、街中で見かけて「何この色!? どこのクルマ!?」と惹きつけられるような存在感…今の『デミオ』なら十分に演じられると思う。

色の話はさて置き、クルマ自体は改良を受けて全体の質感が高まった。とくにダンパー、ブッシュ類(スタビライザーブッシュ含む)の見直しで、乗り味にしっとりとした味わいが加わった。同時に遮音対策(隔壁やバックドアガラスの厚みのアップ)などで、走行中の耳に届くノイズの量が減り快適性が高まったことも実感できる。音については、デビュー時に気になった後席ドアの閉まり音も手を入れたという。この点はもうひと息、共振音を撲滅したいと感じた。

1.5リットルのディーゼルターボ+6速ATの走りは、相変わらずスムースで力強い。市街地のストップ&ゴーでもストレスを感じないし、高速走行時の伸びのよさも文句なしだ。

インテリアの上質感も高まり、その出来映えは内外ライバル車ではベスト・イン・クラス。オーナーの満足度は高いはずだ。ずらしのキルティングがユニークなスエード調表皮を用いた“Tailored Brown”の内装コーディネーションもハイセンスでいい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ニックネームは“赤いコスモ”、50年前に登場した2代目ロータリースポーツ【懐かしのカーカタログ】
  2. 【レンジローバー ヴェラール 新型試乗】ああ、紛うことなくレンジローバーだ…島崎七生人
  3. 狭い道! 制限1.3m、通れる車がなくなった都市計画?…東京都世田谷区
  4. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ…注目ニュースベスト5 2025年上期
  5. 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに日本上陸!…新型車ベスト5 2025年上期
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る