フォルクスワーゲン グループ ジャパン(VGJ)のティル・シェア社長は1月17日に開催した新型『ティグアン』の発表会で、「2017年は、静粛を保っていた期間を終え、攻勢をかけていく」と力強く語った。
フォルクスワーゲン グループは2016年の世界販売が1030万台と世界ナンバー1になったものの、日本市場ではジリ貧状態が続き、4万7234台と前年に比べ13.8%も減った。しかも2年連続での2ケタ減で、過去最高の販売台数を更新したブランドが多かった輸入車市場で対照的となっている。
その理由は15年9月に発覚したディーゼルの排ガス不正問題が大きかったのは言うまでもない。日本では該当するディーゼルモデルの取り扱いがなかったが、VWのブランドイメージが悪化し、ユーザーがVWを敬遠してしまったのだ。
当然、ランキングでも順位を落とし、メルセデスベンツ(6万7386台)、BMW(5万571台)に次ぐ3位となり、22年ぶりに上位2位から陥落した。かつて、輸入車市場ナンバー1の地位を続けていた面影もなくなってしまった。
しかし、これからは違うという。2016年にスタートした「ロード・トゥ2020」戦略のもと、体質強化を図ると同時に顧客との接点を増やしてブランドイメージを上げ、「再びリーディングインポーターになることを目指す」とのことだ。
「リーディングというのは、販売実績だけでなく、輸入車市場においてトップの顧客満足度を目指すことを意味している。高い顧客満足度を得ることができれば、販売台数も自ずとついてくる」とシェア社長は強調する。
そのために、販売担当のスタッフだけでなく、経理スタッフ、製品責任者、人事部長、そして社長自ら現場に出て顧客との直接対話を行っている。また、新型車もこの『ティグアン』を皮切りに、今年は5月に『アップ』、夏には電気自動車『eゴルフ』を投入する予定だ。
果たして経営戦略通りに、2020年までに再びリーディングインポーターの地位を築けるかどうか、これからVGJの動向には目が離せなくなりそうだ。