アウディ・スポーツ、世界ラリークロス選手権に参入…エクストローム選手のチームを本格支援

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昨季の世界ラリークロス選手権(World RX)の模様。
昨季の世界ラリークロス選手権(World RX)の模様。 全 8 枚 拡大写真

18日、アウディ・スポーツが「世界ラリークロス選手権」(World RX)への参入を表明。自陣のDTMドライバーでもあるマティアス・エクストロームのWorld RX参戦プロジェクトをファクトリーサポートする意向を示した。

サーキットレースとラリーの融合ともいうべきモータースポーツのジャンル「ラリークロス」は、近年、FIA冠の世界選手権シリーズ(World RX)も発足するなど盛り上がりを見せつつある。舗装と非舗装いずれもありのクローズドコースを数台で同時に走って順位を競い、上位者が勝ち上がっていく、というのがラリークロスの基本的システムで、使用されるマシンはラリー系の競技車。元WRC(世界ラリー選手権)王者のペター・ソルベルグ、セバスチャン・ローブらも参戦し、World RXの選手層は年々厚くなっている。

スウェーデン出身のエクストロームは、アウディのワークス選手としてDTMに長年参戦しており、チャンピオン経験も有するドライバー(今季2017年も参戦)。その傍ら、2014年からはEKSというWorld RX参戦チームを立ち上げ、こちらの活動にも傾注している。そして昨季16年は「Audi S1 EKS RX quattro」でドライバー、チームの両タイトルを獲得した。

しかし今後、World RXはさらに激しくハイレベルな競争の場と化すことが想定される。「EKSが(他メーカーの)ファクトリー(系)チームを相手に戦い続けるのには、困難が増す状況となるだろう。だから我々(アウディ)はWorld RXへの関与を強めることを決めた」。アウディのモータースポーツを統べるディーター・ガスは、本格参入の経緯をそう説明している。

この決定をエクストロームは大いに喜ぶ。「EKSはこの3年で貴重な経験を得て、新たなスタンダードを確立することもできた。だが、この先も高い競争レベルにあり続けるためには“支援”が必要なことも明らかだった。アウディ・スポーツのファクトリーサポートを受けられることとなり、とてもハッピーだ。私はラリークロスには電動化の可能性を含め、大いなる未来があると確信している」。

アウディは昨秋、今季(2017年)以降の主たるモータースポーツ活動に関して、「WEC(世界耐久選手権)からは2016年限りで撤退」「DTMは継続」「フォーミュラEに注力」等と発表した際、World RX(EKSとの関係)をどうしていくかについては検討中としていたが、当時からポジティブな意志が感じられたところではあり、順当に、本格的なファクトリーサポートへの発展という今回の正式発表に至った。

今季のWorld RXは3月末から11月にかけて、欧州を中心にカナダ、南アフリカも含めた全12戦が開催される予定。日本ではまだ馴染み深いとはいえないシリーズだが、今後、アウディを含む自動車メーカーの本格関与の度が強まるにつれ、存在感を増してくる可能性もありそうだ。

《遠藤俊幸》

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