【VW パサート Rライン 試乗】クルマ好きのジレンマを解決する1台…島崎七生人

試乗記 輸入車
VW パサート ヴァリアント 2.0TSI R-Line
VW パサート ヴァリアント 2.0TSI R-Line 全 8 枚 拡大写真

ヴァリアントのR-Line同士で見ると、以前の1.4と新しい2.0では外観上はホイールサイズが異なる。19インチ(1.4の標準は18インチだった)にサイズアップした2.0は、静かに凄みを効かす…そんな雰囲気だ。

もちろんスペックは大きく向上した。220ps/35.7kgmは、150ps/25.5kgmだった1.4と較べるまでもない。このことで厳然たる事実としてはカタログ記載のJC08モード燃費が20.4km/リットルから15.0km/リットルに書き変わった。車重も1510kgから1560kgへとプラスになっている。

では果たして新しい2.0はどう変わったのか?というと、大人の高性能ワゴン度を増した…という印象。19インチタイヤで懸念された乗り心地の悪化やロードノイズの増大は感じられず、車重が増した分、低速からスムースでどっしりとした乗り味になっていて、快適性はまったく問題なし。

が、走り込めば、2.0の“効力”を実感する。エンジン回転を上げるにつれパワーは切れ味が増しボディをグイグイと加速させる。走行モード(ドライビングプロファイル)を切り替え、“SPORT”を試すと、アクセルレスポンスがよりシャープになり、一段とパワフルな走りも披露する。サスペンションやステアリング系、ボディは、ダイナミックな走りもサラッと受け止めるポテンシャルがあるため、不快、不満に思えることはまったく何もない。

本当はスポーツカーを持ちたいが、現実的には1台で済まさなければならない…世の多くのクルマ好きがクルマ選びのたびに直面するのは、そんなジレンマなのでは? しかしこのR-Lineであれば、語尾をネガティブにする必要はなく、1台で秀逸な実用ワゴンとスポーツカーを手に入れた…とポジティブに納得がいくはずだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 中国マイクロEV『小馬』10万台を販売した「かわいいペット」戦略
  3. 快進撃のヤマハ、次は「親しみやすいスーパースポーツ」で勝負!?「鈴鹿8耐2025」注目の1台
  4. 日本初のクルマ専用「除湿剤」が登場、最長180日間快適に
  5. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る