戦略的デザインで「ものづくり」の価値向上を…東京ビジネスデザインアワード結果発表

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最優秀賞「三方金の技術を応用したペーパージュエリーブランド」
最優秀賞「三方金の技術を応用したペーパージュエリーブランド」 全 5 枚 拡大写真

都内の中小企業とデザイナーが協働して、新しい商品やビジネスを提案する「東京ビジネスデザインアワード」。その2016年度の最終審査と結果発表が1月25日、東京ミッドタウンで開催された。

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今回、最優秀賞を獲得したのは「三方金の技術を応用したペーパージュエリーブランド」(デザイナー:原田元輝、横山徳)。星共社の「聖書の製本により培った三方金・三方銀付加工」を応用してペーパージュエリーを製作し、それをブランド展開するという提案。

原田デザイナーは「テーマ賞の発表から1カ月ちょっとの短期間だったが、気合いを入れてがんばった。これから高いハードルがたくさんあるが、ものづくりをできる楽しさやワクワクを感じながら商品化に向かって進んでいきたい」とコメントしている。

優秀賞は2点。「肌に貼って直接書けるメモシール」(ビジネスコンサルタント+デザイナー:今井裕平、林雄三、木村美智子 )と「ユーザーが仕上げる花器デコレーションシート」(デザイナー:片山典子)。それぞれ「水なしで肌に貼れる特殊転写シール技術」(コスモテック)、「金属の板材を利用して流通に展開する老舗板金技術」(丸和製作所)というテーマから、新しい価値を生み出している。

このアワードは東京都が主催。都内のものづくり中小企業とデザイナーとが協働することを目的とした、企業参加型のデザイン・事業提案コンペティションだ。おもにデザイナーの課題解決力や提案力、そしてそれを受け止める中小企業の「ものづくり」の能力などが評価対象。

まずデザイナーとの協業を目指す企業が応募し、デザイナーが技術や素材の新しい用途や可能性を見出して新製品や新事業を提案するという流れでおこなわれている。最終選考に残った提案は、都が商品化や事業化への支援をおこなうというもの。2012年度から年1回のペースで開催されている。

廣田尚子審査委員長は「日本人は戦略が苦手。でもプレゼンテーションされたデザイナーたちは、戦略的にデザインをおこなっているということをあらためて実感した」と講評している。

「大企業では一般的に、経営戦略のなかでデザインを使っていこうとよく言われる。でも中小企業でこれは難しい。だから逆に、デザイナーに戦略的に動いてもらってデザインの力で戦略を実現しようよ、というのがこのアワードの目的。今回最終選考に残った提案は、まさにこれを体現してくれていた」(廣田審査委員長)

《古庄 速人》

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