川越と房総とを結ぶ指定席快速、発見・遭遇ドキュメント…どこをどう走るの?

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幕張車両センターE257系による快速「おさんぽ川越号」(9224M・9225M)
幕張車両センターE257系による快速「おさんぽ川越号」(9224M・9225M) 全 12 枚 拡大写真

外房線・京葉線・武蔵野線・東北線・川越線を伝って茂原と川越を結ぶ臨時快速が、1月28・29日の土・日曜日に走った。特急など優等列車が走らない武蔵野線で、この普通車全車指定席列車を「知ってて乗った」という人はいるか。

列車名は、快速「おさんぽ川越号」。黄色い顔の幕張車両センター所属 E257系 5両が担い、全車指定席設定で茂原08時20分発(9220M・9221M)川越10時29分着、川越16時00分発(9224M・9225M)茂原18時27分着というペースで走る。

この2時間半の房総小江戸直通ルート、外房線内は、大網・土気・鎌取・蘇我に、京葉線内は稲毛海岸・海浜幕張・南船橋に、武蔵野線内は西船橋、東松戸、新八柱、新松戸、南流山、南越谷、東川口、南浦和に止まる。川越線内は大宮と川越の間をノンストップで結ぶ。

車内は川越日帰りを楽しむ中高年が大半。途中で、京葉線と武蔵野線、武蔵野線と東北線の連絡線や、鉄道博物館付近の東北線・川越線渡り線を伝う場面では、車窓を撮る乗客の姿もあった。

たとえば復路の“帰宅列車”は、午前9時前後の時点で指定席予約率4割程度。大宮では、先頭車(5号車)の列車が止まらないエリアに多くの人だかり。「大宮からの運転手が、きょう最終乗務。仲間が見送りにきている」と駅員が教えてくれた。9225M列車は、その大宮を、乗車率7割ほどで出発。「ほぼこの乗車率で武蔵野線内は行くんじゃないか」。

「この電車は、一番先頭が5号車、一番後ろが1号車です。乗車券のほかに、座席指定券が必要です。すべての車両が禁煙です。快速『おさんぽ川越号』茂原行きです。次は南浦和、南浦和に停車します」

大宮運転区を右手に、ゆっくりと9225M列車は地下へともぐっていく。地下・高架で東北線と武蔵野線を結ぶ連絡線を低速で走り、別所信号場を過ぎ、左手に埼京線・東北新幹線を見ながらゴツゴツとポイントを渡って武蔵野線へと入る。

武蔵浦和駅ホームでは、その進入の瞬間を収めようとカメラを手にした人たちが数名。反対方向にはEH200形電機が引くコンテナ列車(89レか)が見えた。

武蔵野線内で初めての停車駅、南浦和。ここでスーツ姿の男性や女性たち10人ほどが乗車した。「たまたたま仕事で。早めに駅について、やってくる電車の表示を見て『乗れるの?』って駅員に聞いたら、座席指定券を買えばいいというから」。東川口では、スーツ姿の男性がひとり下車し、1組のカップルが乗車した。

「スカイツリーラインをご利用の方、お乗り換えです」と駅員が案内するように、「おさんぽ川越号」の武蔵野線内停車駅は、東武線、つくばエクスプレス、常磐線、新京成線、北総線、総武線と、他路線と接続する駅をひとつずつ止まっていくというかたち。買い物帰りで混雑する越谷レイクタウン駅や中山競馬場帰りの船橋法典駅などはスルーしてしまう。

南越谷駅で乗車した人は、「南栗橋から帰るところ。車庫のまわりを歩いて東武の蒸気機関車や新しい特急電車を見たり。蘇我まで帰るんで、事前に指定券を買っていた」と。武蔵野線内停車駅の反対側のホームには、撮影好きや、孫を連れて見にきたと見受ける女性の姿があった。

新松戸駅につく前、「あっ!」と車内から声が聞こえてきた。右車窓に、見たことのないかたちの電車。試運転中の「TRAIN SUITE 四季島」だ。おそらくこの9225M列車の前を走り、武蔵野線から常磐線へ移ろうとするときを見かけたものか。

西船橋駅で車掌が交代。「西船橋で、大宮支社から千葉支社の乗務員に」。たいへんそうに見えたのは、発車メロディーのボタンを押すとき。10両の電車が行き交う線内で、5両編成のE257系が指定位置に止まると、車掌は10両最後部にあるボタンまで走り、短めに流して再びダッシュして乗務員室に入るという動作に追われていた。

《レスポンス編集部》

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