首都圏環状鉄道の特急運転…東武野田線が定期で先手、JR武蔵野線は波動

鉄道 企業動向
東武500系「リバティ」車内
東武500系「リバティ」車内 全 20 枚 拡大写真

東武鉄道の新型特急車500系「リバティ」が2月5日未明、野田線 船橋まで試運転。その内側を走る武蔵野線で4日、幕張と栃木・氏家を結ぶ臨時快速「氏家雛めぐり号」が走った。2路線ともロングシート車の独擅場だが、優等列車を走らせる姿勢に違いが見えた。

「『おさんぽ川越号』や『かつうらひな祭り』といったイベントに合わせた快速や特急は走るけど、定期で走るような需要があるかどうか。武蔵野線の通常の電車を使った『しもうさ号』という列車は毎日走ってる」

大宮駅の係員はこう教えてくれた。快速『おさんぽ川越号』は、幕張車両センターのE257系を使い1月下旬に茂原と川越の間を1往復走った。かつうらひな祭り号は、2月25・26日、大宮と勝浦を1日1往復走る特急列車。大宮総合車両センターの東武線直通車253系が担う。

両列車とも、武蔵野線内は東松戸・新八柱・新松戸・南流山・南越谷・東川口・南浦和などに停車。つくばエクスプレス線や新京成線、東武線など、別路線と接続する駅にとまっていくかたち。

4日に乗った氏家雛めぐり号は、奥州街道の氏家宿に伝わる雛めぐりの初日に合わせた列車で、海浜幕張を8時に出発。しもうさ号と同じルートで大宮に入り東北線 氏家に10時半過ぎに到着。返しは14時半に氏家を出て、海浜幕張に17時過ぎに戻ってくる。

この氏家雛めぐり号が、1週間前に走ったおさんぽ川越号と違うのは、使用車両E257系5両に、自由席車両3両があること。武蔵野線内の駅で電車を待つ人たちは、構内アナウンスを聞き、行き先表示を見て「乗れるらしい」と知り、突然やって来た房総特急車に乗車した。こうしたシーンが重なり、自由席は往復とも満席にちかい乗車率だった。

大宮と海浜幕張の間は、さいたま車掌区の乗務員が担当。全車指定席のおさんぽ川越と違い、短い停車時間の間に2ドア特急車に列をつくって乗り込む乗客を見届ける作業に追われていた。

「宇都宮に餃子を食いに行った」という千葉の大学生グループ3人は、クロスシートを向かい合わせにし、缶ビールを手にし「行きは新幹線で行ったんだけど、帰りにたまたま、掲示板見て。行き先が海浜幕張ってあってびっくりした」と笑った。

「法事で大宮に」という50代男女は、「南船橋まで。(指定席券)520円で座れて帰れるならば、次も乗りたい。こういう電車が毎日走っていると便利なのに」と話していた。

武蔵野線の外側にある野田線では、4月21日ダイヤ改正から新型特急車両500系による特急アーバンパークライナーが大宮と運河の間に走り出す。「船橋や柏までこの特急が延長される可能性は?」という質問に東武は「今後の需要などを見てみないと」と答えてくれた。

外環道や国道16号のちかくを走る“鉄道の東京環状”の2路線。武蔵野線はイベントにあわせた不定期列車で、野田線は定期特急列車で、クロスシート車を入れていく。

《レスポンス編集部》

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