トヨタ自動車は2月6日、東京本社で2016年度第3四半期決算ついての会見を開いた。その中で大竹哲也常務役員は国内生産について「300万台の方針を転換することは考えていない」と述べた。
トランプ米大統領が誕生する以前から日本の自動車は何かとやり玉に挙げられ、就任後も日米の自動車貿易を「不公平だ」と“口撃”し続けている。そのため、トヨタの工場がある地元のサプライヤーからは、日本での生産が減るのではないかと危惧する声も出ている。
「自動車の生産は需要変動を踏まえつつ、競争力のあるところで生産するというのを基本的な考え方として、生産場所については仕入れ先との関係を十分考慮したうえで中長期的視点に立って決めてきた」と大竹常務は説明し、こう付け加える。
「300万台は人材育成や最先端の技術開発を支えていく、そして何より高い生産性を生んでいくためには必要な台数で、それがグローバル全体の弊社の競争力の源泉にもなっている」
これは豊田章男社長も常々言っていることで、日本の現場で生まれた生産技術やノウハウが世界へ輸出され、そのおかげでトヨタは世界に冠たる地位を築くことができた。国内生産300万台はトヨタの生命線と言っていい。
今後もこの方針は堅持する方向で、トランプ政権の状況をしっかりと見ながら、グループ会社をはじめサプライヤーと従来通りに連携しながら対策を一緒になって進めていくそうだ。