【新機能性材料展2017】開発中の繊維強化熱可塑複合素材を展示、自動車向け用途も狙う…王子エフテックス

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王子エフテックスが開発中の繊維強化熱可塑複合素材
王子エフテックスが開発中の繊維強化熱可塑複合素材 全 2 枚 拡大写真

王子ホールディングス(HD)のグループ会社、王子エフテックスは「新機能性材料展2017」に開発中の繊維強化熱可塑複合素材を展示した。今後1~2年のうちに販売を開始する予定で、将来は自動車向けにも販路を拡大していく方針だ。

王子といえば、渋沢栄一氏が設立した製紙会社で、戦前には日本一になったこともある名門。140年の紙づくりで培ってきた抄紙技術を駆使して、薄くても強い、軽くても厚いなど特徴のある紙製品を世に送り出してきた。

その流れを汲む王子エフテックスはそんな紙製品のほかに、抄紙技術を応用してガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維など組み合わせた複合素材の開発に取り組んできた。その最新作とも言えるのが、今回展示した繊維強化熱可塑複合素材だ。

「何層にも重ねたシート状の繊維を熱と圧力を加えてプレスしてつくるので、細かい成形のものでも1回プレスするだけでできます。しかも、軽くて非常に強度があります」と同社関係者は試作品を手に取りながら説明する。

そのうえ、0.5mm以下の成形加工も可能で、表面のデコレーションも自由自在にできるという。また、繊維の配合を変えれば、用途に合わせた複合素材もできる。つまり、射出成形ではできないことができるわけだ。

「とりあえずはIT関連の部品で実績を積み、ゆくゆくは自動車向けにも提供できるようにしていきたい」と同社関係者。紙の需要が右肩下がりの現在、同社はこのビジネスを柱の1つに育てたい考えで、王子HDからの期待も高いそうだ。

《山田清志》

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