東武SL『大樹』8月10日から1日3往復…ワールドスクウェア新駅は7月22日開業

鉄道 企業動向
東武ワールドスクウェア駅のイメージ。SL列車『大樹』の運行に先立ち7月22日に開業する。
東武ワールドスクウェア駅のイメージ。SL列車『大樹』の運行に先立ち7月22日に開業する。 全 2 枚 拡大写真

東武鉄道は2月28日、鬼怒川線で運行するSL列車『大樹』(8月10日運転開始)のダイヤを発表した。午前から夕方にかけ、1日3往復運行する。これに先立つ7月22日には、東武のテーマパーク「東武ワールドスクウェア」の最寄駅・東武ワールドスクウェア駅が開業する。

『大樹』は下今市~鬼怒川温泉間で運行されるSL列車。JR四国から譲り受けた12系・14系客車とJR西日本・JR貨物から譲り受けたヨ8000形車掌車で編成を組み、編成の両端にはJR北海道から借り入れたC11形蒸気機関車207号機と、JR東日本から譲り受けたDE10形ディーゼル機関車1099号機を連結する。

今回の発表によると、下今市駅の下り発車時刻は9時02分(1号)・13時00分(3号)・16時32分(5号)。鬼怒川温泉駅の上り発車時刻は11時08分(2号)・14時35分(4号)・18時09分(6号)になる。所要時間は下りが36分、上りが33~34分だ。途中、7月22日に開業する予定の東武ワールドスクウェア駅に停車する。

2017年度は土曜・休日を中心に98日間運行する予定。乗車に際しては運賃のほか、SL座席指定料金(大人750円・子供380円)を払う必要がある。

『大樹』の運行に向けた準備は着々と進められており、3月頃には車両の向きを変える転車台(ターンテーブル)と、下今市駅のSL機関庫が完成する予定。5月頃に鬼怒川線で試運転を開始し、8月10日から営業運転を開始する。また、下今市駅では駅舎を「昭和レトロ感のある駅舎」にリニューアルする工事が進められており、7月頃に完成する予定だ。

■新駅開業で運賃計算の「特例」「特例の特例」新設

7月22日に開業する東武ワールドスクウェア駅は、小佐越駅から約0.68km、鬼怒川温泉駅から約1.85km付近の地点に設置。1面1線の単式ホームを設け、多機能トイレやスロープを備えた駅舎も設置する。

列車の停車本数は、平日が下り20本(特急9本・その他11本)と上り19本(特急7本・その他12本)。土曜・休日は下り21本(特急10本・その他11本)と上り20本(特急8本・その他12本)が停車する。これ以外にSL列車『大樹』が停車する。

駅番号は、現在の鬼怒川温泉駅に設定されている「TN55」になる。このため、鬼怒川温泉・鬼怒川公園・新藤原各駅の番号は、現在の番号に1を足した数字に変更される。この変更は東武ワールドスクウェア駅の開業に先立つ4月21日に実施される。

営業距離は、小佐越~東武ワールドスクウェア間が0.7km、東武ワールドスクウェア~鬼怒川温泉間が1.8kmになるとみられるが、東武は当面の間、小佐越発着の運賃と同額にする「特例」を設ける。このため、浅草方面の各駅から乗車して東武ワールドスクウェア駅で下車したとしても、一つ手前の小佐越駅までの運賃を払えばいいことになる。これはICカードを利用する場合も同様だ。

逆に、新藤原・鬼怒川公園・鬼怒川温泉の各駅から東武ワールドスクウェア駅に向かう場合、運賃は東武ワールドスクウェア駅の先にある小佐越駅まで払わなければならない。もっとも、新藤原駅と鬼怒川温泉駅の2駅については、東武ワールドスクウェア駅までの運賃と小佐越駅までの運賃が距離区分の関係で同額となるため、仮に特例が設定されていなくても運賃は変わらない。

一方、鬼怒川公園駅から乗車する場合、東武ワールドスクウェア駅下車と小佐越駅下車では運賃の距離区分が変わり、特例をそのまま適用すると運賃が高くなる。このため、鬼怒川公園~東武ワールドスクウェア間については、実際の営業距離(3.9km)で運賃を計算する「特例の特例」を設ける。ただし、ICカード利用時は「特例の特例」が適用されず、鬼怒川公園~小佐越間の運賃がICカードから引き取られる。

《草町義和》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る