高速船ナッチャンWorld、PFI事業船舶化で多くの改造を実施

船舶 行政
PFI事業船舶化してから初めての横浜寄港、そして初の一般公開も実施された「ナッチャンWorld」。
PFI事業船舶化してから初めての横浜寄港、そして初の一般公開も実施された「ナッチャンWorld」。 全 18 枚 拡大写真

PFI(=Private Finance Initiative)事業船舶となり、防衛省がチャーターするようになってから初めての一般公開となった高速船「ナッチャンWorld」だが、外観や内装は地味に手が加えられており、青函航路に投入されていた頃とは別物といった印象となっている。

【画像全18枚】

外観で大きく変化したのは車両甲板に直結する「後部サイドランプ」の設置だ。戦車のような重量のある車両にも対応するため、かなり頑丈なものが取り付けられている。青函航路に投入されていた頃は専用岸壁でないと車両の積載ができなかったが、このサイドランプ設置によって、岸壁が機能してさえいればどこの港であっても車両積載が可能となった。ナッチャンWorldは低い喫水も特徴であり、水深の浅い港でも問題なく入ることができる。

また、青函航路では短時間の乗船ということもあり、船内はすべて椅子席となっていたが、PFI事業船舶としての運航は長時間(長距離)の移動も想定されるために椅子はすべて撤去。床面をフラット化し、折り畳んであるマットレス(1枚あたり縦60cm×横54cm、3枚連結構造)を使うことで横になって休むこともできるような構造に改められた。かつてはビジネスクラスだった後部船室には二段式ベッドを設置しているが、こちらは主として乗員が使うことになるという。

PFI事業の建前としては「有事や災害で使用する際を除き、所有する船会社が自由に使える」ということになってはいるが、現在のナッチャンWorld乗員は予備自衛官を中心に構成されていることや、有事や災害発生の際には72時間以内に投入可能な体制の維持。船体の各種改造によって、これまでのような青函航路での活用は「事実上、不可能」となってしまっている。

《石田真一》

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