歯を磨くとバイオディーゼルが普及する? 東京都市大高津准教授が新製法を開発
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高津准教授は、廃食油を原料とし、石灰石を触媒とするバイオディーゼルの生産過程において、グリセロリン酸カルシウムが副生できることを発見した。グリセロリン酸カルシウムは、粉ミルクや歯磨き粉、医薬品などのカルシウム強化剤として利用され、機能性に優れた付加価値の高い(1万円/kg)素材だ。
バイオディーゼルは再生可能エネルギーのひとつ。既存の車両でも使用でき、すでに軽油の代替燃料として利用が始まっている。現在の製法は、製造過程で水酸化アルカリを用いるが、この製法では有害廃液の副生されると同時に、製造に多くのコストを要する。
すでに高津准教授は、水酸化アルカリに代わって石灰石を用いる製法を開発し、これによってバイオディーゼル生産の環境面の課題を解決したが、経済合理性の課題を解決できないでいた。付加価値の高いグリセロリン酸カルシウムが副生されることで、経済合理性が高まる。
現在、高津准教授は、これまでのアイデアを検証しながら、生産効率の向上に取り組んでいる。研究の成果は「化学工学会第82年会」で発表予定だ。年会の主催は化学工学会、会期は3月6~8日、会場は東京の芝浦工大豊洲キャンパス。
《高木啓》