「忍者の里」伊賀鉄道の再構築計画が認定へ…4月から公有民営に

鉄道 企業動向
伊賀鉄道の上野市駅。公有民営方式への移行により、近鉄は施設と車両を伊賀市に無償譲渡する。
伊賀鉄道の上野市駅。公有民営方式への移行により、近鉄は施設と車両を伊賀市に無償譲渡する。 全 2 枚 拡大写真

国土交通大臣は3月15日、伊賀鉄道と三重県伊賀市が申請している伊賀線の鉄道事業再構築実施計画を認定する。伊賀線は4月1日付で公有民営方式の上下分離経営に移行する。

伊賀線は、「伊賀忍者の里」として知られる伊賀市内の伊賀神戸~伊賀上野間16.6kmを結ぶ鉄道路線。近畿日本鉄道(近鉄)の路線だったが、赤字経営のため経営体制の見直しが図られることになり、2007年10月から上下分離経営に移行した。近鉄と伊賀市が出資する伊賀鉄道が列車の運行を引き継ぎ、伊賀鉄道は施設や車両を保有する近鉄に使用料を支払って列車を運行している。

2015年度は輸送人員が151万人、1日の平均通過人員(旅客輸送密度)は2567人で、2億3300万円の経常赤字が発生している。伊賀鉄道などは2015年3月、「今後、事業環境はますます厳しくなる」などとして、2017年度から公有民営方式に移行することで合意。今年2月17日に再構築実施計画の認定を国交相に申請していた。

国交省が3月14日に発表した実施計画の概要によると、伊賀市は近鉄から鉄道施設と車両を無償で譲り受け、第三種鉄道事業者として保有。同市は列車を運行する第二種鉄道事業者の伊賀鉄道に施設と車両を無償で貸し付ける。これにより伊賀鉄道は施設や車両の使用料負担がなくなり、経営が大幅に改善される。

伊賀鉄道に利益が発生した場合は伊賀市の基金に拠出する。逆に損失が発生した場合、伊賀市は基金などを活用して補てんする。関係各者はこのほか、「忍者列車ツアー」による訪日外国人観光客の誘致や駅名の命名権販売(ネーミングライツ)なども行い、利用者の増加を目指す。

再構築事業の実施期間は4月1日から2027年3月31日までの予定。2026年度の輸送人員は再構築計画を実施しない場合で134万4000人と想定されているが、計画の実施により約22万人多い156万8000人を見込む。

《草町義和》

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