【バンコクモーターショー2017】日系サプライヤーの挑戦…タカノオートのハイブリッドピックアップ

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タカノオートe-smart porter(バンコクモーターショー2017)
タカノオートe-smart porter(バンコクモーターショー2017) 全 7 枚 拡大写真

バンコクショーの展示ホールに「TAKANO AUTO」という聞き慣れないブランドの名を掲げたブースとマイクロカーがあった。しかし新興メーカーではなく、日本の自動車産業を支えてきたサプライヤーの新たな挑戦を示すものだった。

タカノオートというのは、高野自動車用品製作所のタイ法人の名称。同社はトラックやバンなど商用車の用品やアクセサリーを手がけるサプライヤーで、日系トラックブランドの純正用品として採用されているものも数多い。

そしてタイ拠点の稼働率をさらに高められる新たな事業領域の開拓を目指し、マイクロサイズの電動ピックアップトラックを構想。そのプロトタイプが、今回展示した『e-smart porter』なのだ。

このマイクロトラック開発の狙いについて、タカノオート関係者は「タイでピックアップトラックといえば1トン積みが主流。しかしいろいろ調査してみると、都市部でのデリバリー用や農村部の限られたエリアで使うといった場面では、もっと小さく維持費も安い車両の需要がある、という結論になりました」と説明する。

そして数年前から独自に電動プラットフォームの開発を続け、その完成度が上がってきたことから今回の出展に至ったのだという。プラットフォームの特徴は、発電用エンジンを持つPHEVということ。基本的にはプラグイン充電によって100km程度の走行が可能で、エンジンは1リットルのガソリンで走行距離をおよそ40km延長できる。

純粋なEVに比べると、レンジエクステンダー方式はやや複雑なメカニズムとなるが「タイをはじめアセアン諸国では、まだまだ電力事情が安定しているわけではないし、それに自然災害も多い」という。「充電だけでは、万が一のときに身動きできなくなってしまいます。ユーザーの不安を取り除くためにも、自分で発電できるようにしたほうがいい」

なお展示車両のボディは「今回のショーに出展することが決まってから、大急ぎで作って間に合わせた仮のもの」とのことで、商品化に向けてさらに洗練させるとのこと。ただしプラットフォームは開発が進んでいるため、2150mmというホイールベースが大きく変わることはなさそうだ。

まだ発売時期が決まっているわけではないが、タイではニッチ市場やセカンドカー需要を狙い、さらにはアセアン諸国への展開も考えたいとのことだ。

《古庄 速人》

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