鈴鹿8耐に参戦するMoto2ライダー中上貴晶、MuSASHi RT HARC-PRO.高橋巧と再び頂点を目指す

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高橋巧選手
高橋巧選手 全 4 枚 拡大写真

●ライダーとしてレースをしっかり走り優勝を誓う中上

Moto2ライダー中上貴晶の“コカ・コーラ”鈴鹿8耐参戦が決定した。

3月26日にカタールで行われたMotoGP開幕戦のMoto2クラスで3位に入り、好スタートを切った中上だが、鈴鹿8耐では、2010年の優勝者に名前を連ねている。だが、このときは、決勝レースを走ることはなかった。これに中上は以前「あの記録は、ライダーとしてはちょっと複雑な心境なんです。だからというわけではありませんが、しっかりと走って優勝者記録に名前を残したいと思っています」と語っている。

チームは、中上が全日本を戦っていた当時のMuSASHi RT HARC-PRO.で、チームメイトは鈴鹿8耐で3勝している高橋巧。その高橋は「2010年に中上選手はチームメイトとして鈴鹿8耐に出場しましたが、決勝を走ることがなかった。それでもチームに対してとても献身的で、彼のサポートがなければ勝てていたかどうか分からない。あれから中上選手は世界選手権などいろいろなレースで経験を積んでいるから、心強いパートナーだと思っています」と語る。

一方で注目されているのが、ホンダの新型「CBR1000RR」のポテンシャルだ。そしてそのマシンは、3月中旬に高橋が鈴鹿サーキットでシェイクダウンさせている。

「2日間のテストで、初日は気温と路面温度が上がったけれど、風が強かった。2日目は風は収まったけれど、初日ほど気温と路面温度が上がらなかった。でも、この時期としてはまずまずのコンディションでした。マシンに関しては、シェイクダウンとしてはとてもいいフィーリングで、最終的には狙っていたタイムをマークすることができました。エンジンパワーも上がって、マシン全体のポテンシャルが上がっています。そして何より、電子制御の進化がすごい。ホンダのMotoGPマシンRC213Vからのフィードバックだと思いますが、セッティングしやすくなっています」

3月6日に鈴鹿サーキットで行われた合同テストで、高橋は旧型CBR1000RRをベースにしたマシンでトップタイムをマーク。ライバルのYAMAHA FACTORY RACING TEAM吉川和多留監督は「いいときの高橋選手の走りが戻ってきている。今年は要注意ライダーのひとり」と語るほどだった。

●JSB1000を戦いながら鈴鹿8耐用マシンを仕上げて行く

JSB1000クラスは4月23日の鈴鹿2&4レースでシーズンの幕を開けるが、高橋が目指すのはもちろん開幕優勝だ。

「ここ数年、全日本でも鈴鹿8耐でも本当に悔しい思いをしているので、まずは全日本で優勝したい。マシンに関しては、開幕までに詰めるべきところが沢山ありますが、それでもコンディションが整えば、2分4秒台を狙えるポテンシャルがあることは実感できています」

鈴鹿サーキットのコースレコードは2015年10月に中須賀克行が記録した2分5秒192で、高橋の自己ベストは昨年に記録した2分5秒890。今年の鈴鹿サーキットでは、2分4秒台が記録されること期待されており、新たな時代への突入となりそうだ。

「もちろん目標は勝つことです。しかし、シーズン前半は、鈴鹿8耐を見据えてマシンを作るという作業も並行していかなければなりません。中上選手は、昨年の鈴鹿8耐テストにアジアチームの一員として参加していて、そこで好タイムを記録していました。だからCBR1000RRを走らせることに問題はないので、あとは鈴鹿8耐までにどれだけマシンを作り込めるかがカギです。ベースモデルのポテンシャルの高さは確認できているので、今年はしっかりと記録を残したい」

MuSASHi RT HARC-PRO.は2010年の“コカ・コーラ ゼロ”鈴鹿8耐で初優勝し、2013-2014年に連覇している。しかし、昨年はニッキー・ヘイデン、一昨年はケーシー・ストーナーとMotoGP元チャンピオンを抜擢して必勝体制を築いたのだが、いずれもリタイアとなった。それだけに、高橋はもちろんチームとしても今年の“コカ・コーラ”鈴鹿8耐への意気込みには並々ならぬものがある。ホンダがファクトリー復活を発表していない現在、MuSASHi RT HARC-PRO.が今年もホンダのナンバー1チームとなるが、注目されるのは、このチームが第3のライダーとしてだれを呼び寄せるかだ。

《佐久間光政》

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