子育て世代の生活費、50代で年820万円…大学就学費が要因

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50代世帯の年収分布
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 子育て世代がきちんとした暮らしを送るためには、50代夫婦と大学生と高校生の子ども2人の世帯で年額約820万円必要なことが、埼玉県労働組合連合会と有識者による調査結果より明らかになった。50代世帯の平均年収との差は約275万円。原因は大学就学費用にあるという。

 埼玉県労働組合連合会と静岡県立大学短期大学部の中澤秀一氏による埼玉県最低生計費資産調査は、埼玉県労働組合連合会の組合員など3,000人を対象に実施し、597人の回答を得た。調査期間は2016年1月~3月。「生活実態調査」「持ち物財調査」「価格調査」の3つの調査を基礎として、それらの結果と統計資料などを組み合わせて最低生計費を算出した。設問項目は性別、年齢、世帯構成、居住形態、家賃などの対象者(世帯)の基本的属性のほか、仕事の内容、旅行や交際費、自動車・バイクの必要性などの日常生活、仕事に対する悩みや不満、生活での困り事、近所づきあいの程度など48項目にわたる。

 子育て世代がきちんとした暮らしを送るためにはどれだけの費用がかかるのかを試算した結果、30代夫婦と小学生と幼稚園児の子ども2人の世帯では、税・保険料込みで月額約50万円・年額約600万円の生計費が必要であることがわかった。今回想定した30代世帯の年収(411万円)と最低生計費との差は約189万円あり、この差を埋めるためには、「共働きするか生活費を切り詰めるしかない」とされている。

 40代夫婦と中学生と小学生の子ども2人の世帯では、月額約54万円、年額約650万円の生計費が必要。今回想定した40代世帯の年収(485万円)と最低生計費との差は約165万円。

 50代夫婦と大学生と高校生の子ども2人の世帯では、月額約68万円、年額約820万円の生計費が必要。今回想定した50代世帯の年収(545万円)と最低生計費とのギャップは約275万円。ギャップの最大の原因は大学の就学費用。調査は、「賃金や貯金で賄えない場合は、奨学金を借りるか、大学生自らのアルバイト収入に頼らざるを得ない」としている。

 30代と40代世帯では少なくとも約5割、50代世帯では約6割が生計費未満の層にあたることから、多くの世帯が生計費未満の生活であることが明らかになった。同組合では、賃金の底上げと、教育や住宅も含めた社会保障(生活保障策)を充実しなければならないとしている。

《工藤めぐみ》

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